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2004.12.10
わが国の矯正の給食は、小伝馬町牢屋からはじまる!
大阪医療刑務所
(社)日本栄養士会理事
岸本 稚清
 

 今回は、日本栄養士会の中で一番小さな協議会、その中でも小さな運営部会である矯正運営部会からの便り。
 矯正運営部会とは、一般良識人には無縁なところである刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所、婦人補導院に収容されている人の給食を提供しているところで給食業務に携わっている栄養士の部会であり、国の機関である法務省の矯正局医療分類課が栄養管理の基を作成しているところです。
 歴史は古く、慶長13年(1631)、時代劇の捕り物の場面でおなじみの「小伝馬町牢屋」の給食からはじまります。当時の社会体制を反映して、身分の差により食事の種類や分量が異なっていたようです。
 その後、矯正の給食の基本となる「石川島人足寄場」が、寛政2年(1790)、江戸佃島に開設されました。ここは、定まった住居のない者や再犯のおそれのある者などを収容して生計を得るための職業技能を教え、当時の知識人による講話を行うなど、人道主義に基づき改善更生、社会復帰を図るための施設として運営されていました。今日と同様、職業技能により主食に差を設け、一汁一菜の給食でした。この当時ですから、栄養学的配慮は特にされていなかったようです。ただ、庶民の食生活も、麦、粟、稗などの雑穀に、大根葉などの野菜類の加えた雑炊の形が多かったことから、当時の栄養的観点からみて、矯正施設の食事が特別粗悪だったとはいえません。
 近年、全国的に矯正施設の収容者数は増加し、それに伴い厨房はフル稼働で、大変な毎日です。別世界の食事だと思われている人が多いかと思いますが、矯正運営部会の会員も増加し、今や矯正施設の給食は、食物繊維の多く含んだ健康食そのものではないでしょうか。

 

 


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