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緊急事態宣言を受けて、中村会長手記「栄養のチカラで、難局を乗り切る」

 4月7日(火)、新型コロナウイルス感染症対策本部で緊急事態宣言が発令されました。切迫した状況のなか、その最前線である医療・福祉現場で活動を続ける管理栄養士・栄養士をはじめ医療・福祉関係者の皆さまに感謝するとともに心より敬意を表します。

 新型コロナウイルスの感染拡大にともない、日常の食事の維持が困難な状況になりつつあります。このような現状を踏まえ、日本栄養士会を代表して、メッセージを出させていただきます。

 ウイルスの感染防止には、密閉、密集、密接を避けることと、十分な手洗いやマスクの着用が推奨されています。これらを守ることを前提に、さらに、気を付けていただきたいことがあります。それは、ウイルスに対する抵抗力を維持、強化させることです。この仕組みを「免疫」といい、免疫能が低下すると種々の感染症にかかりやすくなります。免疫能の低下の原因には、極度のストレス、疲労、睡眠不足、運動不足、飲酒や喫煙、さらに病気等がありますが、中でも重要なのは栄養と食事です。

 近年の研究により、私たちが持っている免疫は、多様な成分が複雑な代謝を営むことによって成りたち、その仕組みには、多くの種類の栄養素がいろいろな形で関わっていることが分ってきました。
 その代表的なものがエネルギー・タンパク質欠乏症(PEM)と免疫能との関係です。高齢者では、やせや血清アルブミン値の低下により、インフルエンザワクチンの接種後の抗体陽性率が著しく低下し、感染予防率も低下することが解っています。また、各種のビタミンは、各種の代謝を営む補酵素として働くことから、これらが欠乏すると免疫能を営む細胞機能の低下を招くことになります。ミネラルの欠乏は、胸腺の形成不全や抗体となる免疫グロブリンのレベルを低下させます。一方、肥満や糖尿病等の過剰栄養も免疫能の低下を誘発するのです。

 現在、免疫能に関係する栄養には、エネルギー、たんぱく質、n-3系脂肪酸、食物繊維、ビタミンA、ビタミンB群であるB1、B2、B6、B12、葉酸、パントテン酸、ナイアシン、ビオチン、さらにビタミンのC、D、E、ミネラルでは、セレン、亜鉛、銅、鉄があり、乳酸菌も関与します。
 つまり、食事からとる多くの成分が総合的に作用しながら、私たちはウイルスと戦い健康を維持しているのです。このことから、ある特定の栄養素や食品に依存するのではなく、いろいろな食品から、栄養バランスの取れた食事をとることで、免疫に関与するすべての成分を摂取するのが、科学的な根拠に基づいた方法だということができます。

 栄養バランスのとれた食事が大切なことは、当たり前のことで、今更、聞くに値しないと思われるかもしれません。しかし、外出の規制や食糧の生産力や食品流通力の低下、さらに消費者のまとめ買い等により、特定の食品の購入や消費に偏りが生じて、栄養バランスのとれた食事がとりにくくなっています。このことにより、前述した免疫に関係する栄養素の摂取が困難になるのです。
 このことは、東日本大震災の際、世界中から食糧が被災地に届けられながら、現地では栄養欠乏症が発生し、糖尿病、高血圧、脂質異常症、腎臓病の患者さんは食事療法が維持できなくなっていた状況に似ています。そのために、私たちは日本栄養士会災害支援チーム(JDA-DAT)を創設しました。

 今こそ、栄養の力を活用し、新型コロナウイルスに打ち勝つ体力を持つことが必要です。すでに栄養不良で著しく体力が低下している人、高齢で咀嚼・嚥下機能が低下している人、何らかの食事療法を行っている人等は、医師や管理栄養士の指導のもとに、特別用途食品や栄養サプリメントなどを活用して、できる限り健康な食事が維持できるようにしてください。

 全国の管理栄養士・栄養士は、国民の皆様と力を合わせて、この難局を乗り越えるように最大限の努力をしていきましょう。

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