JDA-DATは、国内外で大規模な自然災害(地震、台風など)が発生した場合、迅速に被災地内の医療・福祉・行政栄養部門と協力して、緊急栄養補給物資の支援など、状況に応じた栄養・食生活支援活動を通じ、被災地支援を行うことを目的としています。
そのためJDA-DATは、災害発生後72時間以内に行動できる機動性、大規模災害に対応できる広域性、栄養支援トレーニングによる専門的スキルを有する必要があります。これらは、研修によって養われています。また、食料の調達、移動手段の確保などを自身で行う自己完結性も備えています。
JDA-DATは、指定栄養士会(*1)ごとに設立されています。非被災地の都道府県栄養士会JDA-DATは、自ら、あるいは出動の要請(*2)を受けて、速やかに支援活動に入ります。なお、都道府県と都道府県栄養士会の災害協定の締結も進んでいます。
JDA-DATは被災地において、次のような人的支援、物的支援を行います。しかし、被災地ではライフラインや交通手段などの破綻も予想されるため、①の情報収集(的確な状況とニーズの把握)が支援活動の前提となります。
① 情報収集:
被災地の医療・福祉・行政栄養部門と連携し、情報の収集・伝達・共有化を行います。
② 緊急栄養補給物資の支援(特殊栄養食品ステーション設置):
必要物資の内容・量を把握し、物資の手配・分配の指揮を行います。 特殊な栄養食品などについては、日本栄養士会に支援要請ができる場合もあります。
③ 栄養補給:
被災施設・避難所などで責任者の許可のもと、個人に対して直接栄養補給の支援を行います。
④ 対応の困難な被災者への支援:
医療機関への連絡などの対応を行います。
JDA-DATは、急性期の活動を基本としています。しかし、災害の規模や状況に応じて全国のJDA-DATにつなげ、長期的支援を行うこともあります。
平時においては、地域における災害対策活動などへ協力しています。地域防災の考え方は、自助・共助・公助を基本としています。JDA-DATでは、災害発生時に自助・共助・公助が円滑に行われるように、平時の防災活動を支援しています。
JDA-DATでは、災害支援医療緊急車両「JDA-DAT河村号」「JDA-DATトーアス号」を利用して、復興支援プロジェクトなどを行っています。これは、東日本大震災から年月が経ち、国民や日本栄養士会会員においても震災に対する意識が薄れつつあるのが懸念されるため、防災意識の醸成と被災地の1日も早い復興を願って、国民の皆さまに向けて行った広報活動です。平成26(2014)年1月18日に兵庫県神戸市を出発し、今も各地でイベントや研修会に参加しています。
「JDA-DAT河村号」「JDA-DATトーアス号」とは、キッチンボックスを搭載した車両(キッチンカー)です。平時は、各都道府県栄養士会でのJDA-DAT活動に利用し、災害時には、JDA-DAT災害支援医療緊急車両として活動します。
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公益社団法人 日本栄養士会 JDA-DAT担当
Tel:03-5425-6555