いざ、大阪・関西万博へ! It's Time To Go To EXPO 2025!

2025年8月、日本栄養士会は「大阪ヘルスケアパビリオン」に参加。“未来の栄養・食”をテーマに、さまざまな取り組みを展開します。

In August 2025, the Japan Dietetic Association will participate in the Osaka Healthcare Pavilion. Under the theme “The Future of Nutrition and Food,” it will showcase a variety of initiatives.

全国都道府県栄養士会が考案した 未来に残すべき和食
大公開
A Grand Showcase of
“Washoku to Preserve for the Future”

都道府県栄養士会 Prefectural Dietetic
Associations
「未来の食材 “Future 50 Foods”

未来に残すべき和食
“日本人の伝統的な食文化”
を、持続可能な
“The Future 50 Foods(未来の食材50)”
とともに継承プロジェクト
A project to preserve Japan’s traditional food culture for future generations,
alongside the sustainable ‘The Future 50 Foods’ initiative

2013年に「和食:日本人の伝統的な食文化」が未来に残すべき財産としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。日本の食文化には、料理はもとより、食材、食べ方、作法等、さまざまな要素が含まれています。この日本の伝統的な食文化を次世代へ伝えていくことが必要です。

また、100カ国以上で活動している環境保全団体であるWWF(世界自然保護基金)は、人と自然が調和して生きられるサステナブルな未来を目指して、急激に失われつつある生物多様性の豊かさの回復と、地球温暖化防止のための脱炭素社会の実現を推し進めています。その一環として、未来に向けて“持続可能な食材”として、2019年にWWF UK(世界自然保護基金 英国支部)が、環境負荷が少なく手ごろな価格で手に入る、栄養価の高い50種類の食材として「The Future 50 Foods(未来の食材50)」を発表しています。

近年、地球環境問題と社会問題の包括的な解決のために、地球の生態系と人間社会、そして、私たちの身体が総合的に健康的な状態(ウェルビーイング)を目指すために、「未来に残すべき和食」を「未来の食材50」とともに『未来の食事』として継承することで、人と地球の双方にとって健康的で持続可能な食のあり方を提案することを目的に作成しました。また、『未来の食事』は、「未来に残すべき和食」として郷土料理や伝統料理を含む1食分の献立として、以下の条件により作成します。

In 2013, ‘Washoku: Traditional Japanese Cuisine’ was registered as an intangible cultural heritage by UNESCO as a treasure to be preserved for future generations. Japanese food culture encompasses not only cuisine but also ingredients, eating methods, etiquette, and various other elements. It is essential to pass on this traditional Japanese food culture to future generations.
Additionally, the World Wide Fund for Nature (WWF), an environmental conservation organisation active in over 100 countries, is working towards a sustainable future where humans and nature coexist in harmony. This includes efforts to restore the richness of biodiversity, which is rapidly declining, and to achieve a decarbonised society to prevent global warming. As part of this effort, in 2019, WWF UK (World Wide Fund for Nature UK) announced ‘The Future 50 Foods,’ a list of 50 foods that are environmentally friendly, affordable, and nutritious, as ‘sustainable foods’ for the future.
In recent years, in order to comprehensively address global environmental and social issues, we have created ‘Future Meals’ with the aim of proposing a healthy and sustainable approach to food for both people and the planet. This initiative seeks to achieve a state of overall health (well-being) for the Earth’s ecosystems, human society, and our bodies by preserving ‘Japanese cuisine for the future’ alongside ‘The Future 50 Foods.’ Additionally, ‘Future Meals’ are created as a single meal menu including regional and traditional dishes, meeting the following conditions:

推定エネルギー必要量(Estimated Energy Requirement; EER)目標量(Tentative dietary goal for preventing life-style related diseases;DG)

推定エネルギー必要量(Estimated Energy Requirement; EER)
目標量(Tentative dietary goal for preventing life-style related diseases;DG)

また、栄養バランスの指標として、エネルギー産生栄養素バランスを考慮して作成します。参考値は、日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(令和6年10月)における18歳以上の下限値と上限値としています。

EER: Estimated Energy Requirement (EER)
DG: Tentative Dietary Goal for Preventing Lifestyle-Related Diseases (DG)

Additionally, this is created by considering the energy-producing nutrient balance as an indicator of nutritional balance. The reference values are based on the lower and upper limits for individuals aged 18 and older as outlined in the report from the Task Force for Establishing the Japanese Dietary Intake Standards (2025 Edition) (October 2024).

参考:エネルギー産生栄養素バランス(%エネルギー)

Reference : Energy-producing nutrient balance (percentage of energy)

参考:エネルギー産生栄養素バランス(%エネルギー)Reference : Energy-producing nutrient balance (percentage of energy)

全国都道府県の栄養士会
考案した未来メシ

北海道 Hokkaido

海鮮丼ぶり Seafood Donburi

青森 Aomori

けの汁 Keno-jiru

岩手 Iwate

ひっつみ汁 Hittsumi soup

宮城 Miyagi

おくずかけ Okuzukake

秋田 Akita

きりたんぽ鍋 Kiritanpo Nabe

山形 Yamagata

いも煮 Imo-ni

福島 Fukushima

こづゆ Kozuyu

茨城 Ibaraki

つけけんちんそば Tsukekenchin Soba

栃木 Tochigi

しもつかれ Shimotsukare

群馬 Gunma

おきりこみ Okirikomi

埼玉 Saitama

武蔵野肉汁うどん Musashino Nikujiru Udon

千葉 Chiba

太巻き祭り寿司 Furumaki Festival Sushi

神奈川 Kanagawa

けんちん汁 Kenchin-jiru

東京 Tokyo

うなぎの柳川風煮 Yanagawa-style eel stew

新潟 Niigata

のっぺ Noppe

富山 Toyama

だいこん菜のよごし Daikon no Yogoshi

石川 Ishikawa

ぶり治部煮 Buri Jibu-ni

福井 Fukui

天ぷらおろしそば Tempura Oroshi Soba

山梨 Yamanashi

ほうとう Hōtō

長野 Nagano

おやき Oyaki

岐阜 Gifu

朴葉寿司 Hoba-zushi

静岡 Shizuoka

駿河そば
(茶そば&桜えびかき揚げ)
Suruga Soba
(Tea Soba & Sakura Shrimp Tempura)

愛知 Aichi

鉄火みそ Tekka miso

三重 Mie

手こね寿司 Hand-kneaded sushi

滋賀 Shiga

シャモのじゅんじゅん Shamo no Junjun

京都 Kyoto

京のばら寿司 Kyoto Barazushi

大阪 Osaka

串カツ Kushikatsu

兵庫 Hyogo

粕汁 Kasujiru

奈良 Nara

にゅうめん Nyumen

和歌山 Wakayama

めはり寿司 Mehari-zushi

鳥取 Tottori

どんどろけ飯 Dondoroke Rice

島根 Shimane

焼きさば寿司 Grilled mackerel sushi

岡山 Okayama

まつり寿司 Matsuri Sushi

広島 Hiroshima

かき飯 Oyster Rice

山口 Yamaguchi

大平汁 Oohira-jiru

徳島 Tokushima

そば米雑炊 Soba Rice Porridge

香川 Kagawa

いりこめし Iriko Meshi

愛媛 Ehime

いぎす豆腐 Igisu tofu

高知 Kouchi

きびなごのほおかぶり Kibinago no Hokaburi

福岡 Fukuoka

博多水炊き Hakata Mizutaki

佐賀 Saga

冬瓜汁 Winter melon soup

長崎 Nagasaki

ゆで干しだいこんの
すりみ揚げ
Boiled and dried daikon radish surimi fritters

熊本 Kumamoto

南関揚げ巻き寿司 Nankan Age Maki Sushi

大分 Oita

とり天 Tori-ten

鹿児島 Kagoshima

薩摩雑煮 Satsuma Zoni

沖縄 Okinawa

クーブイリチー Kubu Iritchi

北海道 Hokkaido

海鮮丼ぶり Seafood Donburi

料理の背景・いわれ

北海道は、日本全国の漁獲量のおよそ4分の1を占める。魚介類にはDHA等の生活習慣病を予防する上で重要な働きをする脂質が豊富に含まれている。各家庭の祝いごとや親戚・友人が集まったとき等に振る舞われる「海鮮丼ぶり」を「山わさび」で食べるのも北海道流である。季節によっても食材は変わるが北海道の各地域でも食材は変わる。地域で、各家庭で季節の海の幸、山の幸を楽しむ食文化が北海道にはある。

1人分栄養表示

熱量:470Kcal
たんぱく質:20.1g
脂質:3.4g
ナトリウム量(食塩相当量):1.2g

使用した持続可能な未来の食材

・海苔
・アマランサス
・オクラ
・オレンジトマト
・紫キャベツ
・クレソン

材料名(1人分量g)★未来の食材

★アマランサス(玄穀):10g
米(精白米):90g
ほたて貝柱生:30g
からふとます生:30g
あまえび生:15g
わさび根茎生:8g
イクラ:5g
★焼海苔:0.5g
★オクラ:10g
きゅうり:10g
★オレンジトマト:20g
しその葉:0.5g
★クレソン:10g
★紫キャベツ:20g

<甘酢>
穀物酢:4g
食塩:0.2g
三温糖:2g

<昆布しょうゆ>
濃口しょうゆ:4g
昆布だし(水出し):1g

料理の作り方

  1. アマランサスと米は浸水し、ややかために炊く。
  2. ホタテ、サーモンは食べやすい大きさに切り、エビは殻をむき、これらは冷蔵庫で保管しておく。
  3. 紫キャベツは千切り後、甘酢に漬けておく。オクラはゆでて冷水にとり冷ましておく。このほかの野菜は、食べやすい大きさに切っておく。
  4. ご飯が炊き上がったらご飯をやや冷まし、どんぶりに盛り、千切りのりを敷いて②の魚介、③の野菜を盛り付け、最後にいくらを飾る。
  5. 昆布しょうゆ、ワサビを添える。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

北海道はお米も国内第2位の生産量を誇っているが、カルシウムや鉄が含まれるアマランサスをお米に加た。付け合わせには北海道産の紫キャベツ、クレソン等を使用し新しい丼ぶりを意識した献立である。

1食分の献立例

・海鮮丼ぶり
・石狩汁
・かぼちゃの天ぷら
・果物(りんご)

1食分の1人分栄養表示

熱量:720Kcal
たんぱく質:27.7g
脂質:14.4g
ナトリウム量(食塩相当量):2.7g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<石狩汁>
しろ鮭生:30g
食塩:0.3g
じゃがいも:20g
★だいこん:20g
にんじん:10g
★キャベツ:20g
根深ねぎ:10g
こねぎ:5g
米みそ(淡色辛みそ):9g

<かぼちゃの天ぷら>
西洋かぼちゃ:30g
薄力粉:8g
米ぬか油:10g

<果物>
りんご(皮つき):80g

青森 Aomori

けの汁 Keno-jiru

料理の背景・いわれ

約400年前、津軽平定のため、津軽藩祖為信が正月に敵の城を攻めていたとき、城にあった、だいこん、にんじん、ごぼう等あり合わせの材料で作った食事で戦った。その材料がちょうど七種類であったことから、津軽の七草粥として「けの汁」が始まったといわれている。また、名前の由来は、白い粥にそえて食べる汁、また、粥にかけて食べる汁という意味から、粥の汁が訛って、「けの汁」になったといわれている。

1人分栄養表示

熱量:38Kcal
たんぱく質:1.9g
脂質:1.3g
ナトリウム量(食塩相当量):1.0g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・ごぼう
・だいこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

煮干だし:100ml
だし昆布:0.8g
★だいこん:20g
にんじん:7g
★ごぼう:7g
ふき水煮:7g
わらび水煮:7g
★油揚げ:3g
★高野豆腐:2g
こんにゃく:10g
赤色辛みそ:6g

料理の作り方

  1. 野菜・山菜は5㎜ほどのさいの目に切っておく。煮干しのだしをとり、材料のひたひたぐらいになるように加える。
  2. 昆布は焼いてから細かく砕いてから①に加え、やわらかくなるまで煮る。
  3. 戻した高野豆腐、油抜きをした油揚げ、こんにゃくを5㎜ほどのさいの目に切って、具が柔らかくなった②に加えて煮る。
  4. 味噌で味付けをして煮て、仕上げる。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

けの汁の材料は多様で、基本的には野菜類、山菜類、大豆の加工品類の三つに分けられ、野菜類は、だいこん、にんじん、ごぼう、山菜類は、ふき、わらび、大豆の加工品は、油揚げがほとんどの家で用いられている。

1食分の献立例

・ごまごはんけの汁
・ほたてのたまごとじ(貝焼きみそ)
・長芋と菊の和え物
・煮りんごのヨーグルトがけ

1食分の1人分栄養表示

熱量:653Kcal
たんぱく質:24.0g
脂質:14.3g
ナトリウム量(食塩相当量):2.3g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<ごまごはん>
精白米:70g
もち米:15g
★黒いりごま:5g
しょうゆ:2g
清酒:2g
砂糖:1g
★枝豆(ゆで・むき):10g

<ほたてのたまごとじ(貝焼きみそ)>
ベビーホタテ:40g
長ねぎ:30g
しいたけ:8g
鶏卵:50g
みつば:5g
煮干だし:25g
煮干(焼き干し):1g
清酒:1g
淡色辛みそ:3g

<長芋と菊の和え物>
長芋:40g
★ほうれん草(ゆで):10g
食用菊:1g
三杯酢(合わせ酢):4g

<煮りんごのヨーグルトがけ>
りんご:60g
砂糖:6g
レモン汁:2g
プレーンヨーグルト:60g
生クリーム:5g

岩手 Iwate

ひっつみ汁 Hittsumi soup

料理の背景・いわれ

寒さが厳しく冷害で米がとれない年もあり、食生活を安定させるために小麦、そばの生産も行われ、粉に水を入れてこねて作る料理「しとねもの」文化が発達した。「ひっつみ」はその代表的な料理の1つで主食の替わりに多く食されていたが、現在も各家庭や地域で普段の料理として食されている。小麦粉に水を加えてこねたものをひっぱって薄くのばしたものを手でちぎり、鶏肉、ごぼう、にんじん、きのこ等を入れただしで煮込む。

1人分栄養表示

熱量:153Kcal
たんぱく質:7.3g
脂質:4.9g
ナトリウム量(食塩相当量):0.8g

使用した持続可能な未来の食材

・まいたけ
・ごぼう

材料名(1人分量g)★未来の食材

薄力粉:20g
サラダ油:0.5g
しょうゆ:5g
酒:3g
鶏もも肉:30g
★まいたけ:12g
にんじん:5g
★ごぼう:6g
干ししいたけ:1g
長ねぎ:10g

料理の作り方

  1. ポリ袋に団子の材料を入れて混ぜこねる。20~30分寝かせる。
  2. 干し椎茸は水に戻す。
  3. 肉と野菜を長さをそろえて切る。
    鶏肉はコマ切れ、まいたけは小さく割く、にんじん・ごぼうはささがきか短冊切り、干しいたけは5ミリ幅、長ねぎは斜め薄切りか小口切りにする。
  4. 鍋にだし汁を入れて火にかけ、肉と野菜を煮る。
  5. ④が煮えるまでの間に、団子を下ゆでする。①を沸騰湯に薄くちぎって入れ、浮いたら水を張ったボールに入れて軽くぬめりを取り、水けをきる。
  6. 肉と野菜が煮えたら、④に調味料を入れ⑤の団子を入れ、味が整ったら椀に盛り付け長ねぎをのせる。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

天然ものの舞茸は「幻のキノコ」と言われ、松茸より貴重で希少と、市場にもほとんど出回らなかった。ビタミン類やミネラル、食物繊維が豊富で、特に亜鉛、ナイアシン、ビタミンDなどを多く含んでいる。

1食分の献立例

・雑穀ごはん
・ひっつみ汁
・鮭のみそ麹焼き
・ウドの酢の物
・高野豆腐の含め煮
・干しだいこんの焼酎漬け
・すき昆布の煮つけ
・かねなり

1食分の1人分栄養表示

熱量:736Kcal
たんぱく質:28.7g
脂質:17.6g
ナトリウム量(食塩相当量):3.0g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<雑穀ごはん>
精白米:70g
いなきび:4g

<鮭の麹みそ焼き>
生鮭:40g
みそ:3.5g
ごはん粉:0.5
酒粕:2g

<うどの酢の物>
うど:20g
にんじん:1.2g
らっきょう酢:2.6g
いりごま:0.9g

<高野豆腐の含め煮(1枚分)>
★高野豆腐:8g
片栗粉:2.1g
絹さや:1.5g
豚ひき肉:6g
干ししいたけ:0.5g
にんじん:2.5g
ひじき水煮缶:1.2g
生姜:1g
砂糖:2g
塩:0.1g
しょうゆ:1.5g
みりん:1.5g
酒:1.3g

<切り干しだいこんの焼酎付け>
★輪切り切り干しだいこん:5g
砂糖:1.2g
塩:0.2g
焼酎:0.2g
酢:0.5g
ナツハゼの実:1g

<すき昆布の煮つけ>
すき昆布:2g
にんじん:5g
油揚げ:5g
みりん:1.6g
しょうゆ:1.6g
砂糖:0.5g
ごま油:1.5g
かねなり(1枚分)
上新粉:23g
熱湯:23ml
★くるみ:2.0g
サラダ油:1.5g
しょうゆ:4g
砂糖:3.5g

宮城 Miyagi

おくずかけ Okuzukake

料理の背景・いわれ

「くず(葛)でとろみをつけた汁」のことであるが、現在は片栗粉でとろみをつけている。畑で収穫された野菜やきのこ、豆腐、油揚げ、そして白石市の名物である白石温麵を使用するのも特徴の1つである。肉や魚を使用していないため、精進料理として盆や彼岸の時期に食べることが多いが、学校給食のメニューとしても提供されており、こどもにも馴染みのある料理であるため、これからも後世に伝えていきたい郷土料理の1つである。

1人分栄養表示

熱量:156Kcal
たんぱく質:6.5g
脂質:3.2g
ナトリウム量(食塩相当量):1.7g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・えのき
・ごぼう
・だいこん
・れんこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

じゃが芋:20g
★だいこん:10g
にんじん:10g
★ごぼう:10g
★れんこん:10g
★えのきたけ:5g
干ししいたけ:2g
★木綿豆腐:30g
★油揚げ:5g
豆麩:2g
石温麺:15g
みつば:2g
しょうゆ:5g
食塩:0.3g
本みりん:1g
片栗粉:3g
だし汁:100ml
干ししいたけの戻し汁:50ml

料理の作り方

  1. 干ししいたけは水で戻しておく(目安:半日・戻し汁は捨てない)
  2. じゃがいは皮をむいて1㎝角のさいの目切りにする。だいこん、にんじん、れんこんは皮をむいて、いちょう切りにする。ごぼうは土を落としてささがきにする。①のしいたけは細切りにする。えのきたけは3cm長さに切る。三つ葉は2cm長さに切る。
  3. 油揚げは油抜きをして細切りにする。豆腐は1㎝角のさいの目切りにする。
  4. 豆麩は水でもどして絞っておく。温麺は硬めにゆでておく。
  5. 鍋にだし汁、干ししいたけの戻し汁、②を入れ、火が通るまで灰汁を取りながらやわらかく煮る。さらに③を加えひと煮立ちしたら、しょうゆ、塩、みりんで調味し、④の豆麩、温麺、水溶き片栗粉を加えてとろみがついたら、2cm長さに切った三つ葉を加えて火を止める。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

宮城県では「ミヤギシロメ」などの大豆が栽培されている。大豆は昔からみそ(仙台みそ)・醤油の製造に不可欠な食材として利用されてきた。そのほか、凍み豆腐や納豆など、保存性を高めた加工品も多く作られている。

1食分の献立例

・おくずかけ
・ずんだ餅
・揚げ茄子とエビのおろしポン酢
・フルーツ

1食分の1人分栄養表示

熱量:662Kcal
たんぱく質:21.2g
脂質:16.4g
ナトリウム量(食塩相当量):2.7g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<ずんだ餅>
餅:100g
★枝豆(正味):50g
砂糖:15g
塩:0.1g

<揚げ茄子とエビのおろしポン酢>
茄子:60g
エビ:30g
★まいたけ:10g
サラダ油:10g
★だいこん:30g
ポン酢:10g
しその葉:0.5g

<フルーツ>
イチゴ:30g
マスカット:30g

秋田 Akita

きりたんぽ鍋 Kiritanpo Nabe

料理の背景・いわれ

きりたんぽは、元々はきこりやマタギたちが、ご飯をつぶして杉の串に握りつけ、焼いて食べていた携行食糧であった。その形が槍先につける「たんぽ」に似ている。鍋に山鳥や切ったたんぽを入れて食べたのが「きりたんぽ鍋」の始まりである。秋には新米できりたんぽを作り、鍋で鶏ガラなどのだし汁に比内地鶏やまいたけ、きりたんぽを入れ、さらにねぎ、セリを加えて煮込む、先人の知恵から生まれた秋田の恵みがたっぷり詰った、伝えていきたい郷土料理である。

1人分栄養表示

熱量:591Kcal
たんぱく質:21.7g
脂質:15.5g
ナトリウム量(食塩相当量):2.2g

使用した持続可能な未来の食材

・まいたけ
・ごぼう

材料名(1人分量g)★未来の食材

きりたんぽ:150g
比内地鶏(1羽分)のだし汁(鶏がらだし):180ml
比内地鶏(親鶏むね、皮つき):40g
比内地鶏(親鶏もも,皮つき):40g
★ごぼう:40g
糸こんにゃく:50g
★まいたけ:50g
濃口しょうゆ:14g
清酒 ( 調味料):15g
塩:少々
長ねぎ:50g
せり:50g

料理の作り方

  1. きりたんぽは食べやすい大きさに切る、ごぼうはささがき、糸こんにゃくは食べやすい長さに切る、まいたけは食べやすい大きさに小分け、長ねぎはきりたんぽと同じ位長さの斜め切り、せりは長さ4~5㎝に切る。
  2. だし汁用として鍋に水と鶏ガラ(欄外)を入れてしばらく煮出し、時々アクをすくい取りながらダシを取り、最後にガラを取り出す。
  3. 1人180㎖(蒸発分は加える)に鶏肉とごぼうを入れて再びアクを取りながら煮る。
  4. ③が煮えたら糸こんにゃく、まいたけを入れ、煮えたらしょう油、清酒、塩を加えて好みの味にする。
  5. ④の鍋にきりたんぽを並べ入れ、長ねぎとせりをのせて一煮立ちする。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

まいたけは、さわやかな歯切れ、まろやかでコクのある口当たりは万人に愛され、きりたんぽ鍋には欠かせない。まいたけの発生する木は毎年決まっており、この場所は例え親兄弟でも絶対に教えないという風習が未だに残っている。

1食分の献立例

・きりたんぽ鍋
・きくらげの白和え
・とんぶりサラダ
・卵寒天

1食分の1人分栄養表示

熱量:642Kcal
たんぱく質:23.4g
脂質:16.9g
ナトリウム量(食塩相当量):2.3g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<きくらげの白和え>
きくらげ(乾燥):2g
にんじん:15g
★枝豆(ゆで):15g

<下味用>
水:15ml
薄口しょうゆ:1.5g
本みりん:4g
砂糖:少々
塩:少々

<調味用>
★木綿豆腐:50g
白いりごま:7g
砂糖:2g
塩:0.2g

<とんぶりサラダ>
★だいこん:60g
りんご:15g
とんぶり(ゆで):5g
かいわれだいこん:0.1g
酢:3g
オリーブ油:2.5g
塩:少々
こしょう:少々

<卵寒天>
棒寒天:0.7g
鶏卵:15g
砂糖:7.5g
水:50ml

山形 Yamagata

いも煮 Imo-ni

料理の背景・いわれ

山形のいも煮は、さといも、牛肉、こんにゃく、ねぎ、きのこを使い、しょうゆやみそで煮込んだ郷土料理である。江戸時代に川原で鍋を囲んで親睦を深めたことが起源とされ、秋の収穫を祝う文化が今も続いている。地域によって味付けが異なり、内陸部ではしょうゆ味が主流で、一方、庄内地方ではみそを使った味付けが一般的である。どちらのスタイルもその土地ならではの味わいが楽しめ、秋の風物詩として多くの人に愛されている。

1人分栄養表示

熱量:286Kcal
たんぱく質:10.5g
脂質:14.8g
ナトリウム量(食塩相当量):1.6g

使用した持続可能な未来の食材

・まいたけ

材料名(1人分量g)★未来の食材

さといも:130g
こんにゃく:40g
牛肉:50g
★まいたけ:40g
長ねぎ:40g
めんつゆ(3倍濃縮):15g
砂糖:1.5g
酒:5g

料理の作り方

  1. さといもは、大きいものは二つに切り、ぬめりを取るために塩でもんで洗う。
  2. こんにゃくは、手でちぎって下ゆでする。
  3. 牛肉は5cm位に切り、ねぎは斜め切りにする。まいたけは適当な大きさにほぐす。
  4. 鍋にさといもと分量の水を入れて火にかける。煮立ったら、こんにゃくとまいたけ、調味料の2/3量を入れる。
  5. さといもがやわらかくなってきたら、牛肉を入れてあくを取りながらさらに煮る。
  6. 最後に残りの調味料とねぎを入れて味を整える。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)

食材の背景

山形県はきのこ類の産地として知られ、自然に生育するほか、栽培されることも多く、秋には新鮮なものが多く出回り、特にまいたけは、肉厚で食感が良く、風味豊かで様々なレシピに使われ、その旨味を引き立てる。

1食分の献立例

・うこぎごはん
・いも煮
・孟宗筍と凍みだいこんの煮物
・菊の浸し

1食分の1人分栄養表示

熱量:683Kcal
たんぱく質:22.0g
脂質:19.0g
ナトリウム量(食塩相当量):2.8g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<うこぎごはん>
ごはん:150g
うこぎ:10g

<孟宗筍と凍みだいこんの煮物>
たけのこ:60g
★凍みだいこん:15g
身欠きにしん:20g
にんじん:20g
★枝豆:5g
酒:5g
めんつゆ:15g
みりん:5g

<菊の浸し>
菊(ゆで):30g
★ほうれんそう(ゆで):40g
かつおぶし:0.5g
しょうゆ:4g

福島 Fukushima

こづゆ Kozuyu

料理の背景・いわれ

こづゆは、江戸後期、会津藩主参勤交代のおり食べられた「重」がルーツとされ、冠婚葬祭や正月等特別な日に欠かせないおもてなし料理として受け継がれている。北前船がもたらした海産物(干し貝柱)と会津の地場産品(豆麩、さといも、きくらげ等)を使った、薄味仕立ての汁煮である。手塩皿という浅い小さな朱塗りの椀に盛られた「こじゅうのつゆ」が訛って「こづゆ」になったといわれ、何杯お代わりしても失礼にならないとされる。

1人分栄養表示

熱量:77Kcal
たんぱく質:5.4g
脂質:1.5g
ナトリウム量(食塩相当量):1.0g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・ほうれんそう

材料名(1人分量g)★未来の食材

干し貝柱:3g
干ししいたけ:1g
きくらげ(乾):0.8g
さといも:40g
にんじん:15g
糸こんにゃく:15g
★うち豆(大豆):7g
白玉麩(まめふ):2g
しょうゆ:2g
塩:0.5g
★ほうれんそう:10g

料理の作り方

  1. 干し貝柱、干ししいたけ、きくらげは3時間位水にもどす。水で戻した貝柱はほぐし、きくらげは手でちぎる。干ししいたけは、1cmさいの目切りにする。
  2. 鰹節でだしをとる。
  3. さといもは半月切りにして塩を少し入れて、湯がく。
  4. 糸こんにゃくは3cm位に切り、湯がく。にんじんはいちょう切りにする。うち豆は軽く水洗いする。
  5. 豆麩は水に戻しておく。
  6. ほうれんそうはゆでて2㎝に切る。
  7. 鍋に貝柱と干しシイタケの戻し汁、②の出し汁、④を入れて煮る。
  8. にんじんが柔らかくなったら、③と⑤を入れ、調味する。
  9. 椀に盛り、⑥を添える。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

打ち豆は、秋に採れた青畑豆(青大豆)を乾燥させて軽く水戻し後、木槌で打ちつぶしたもので、冬季間の貴重なたんぱく源として食されてきた。つぶしてあるので、水で戻すことなくそのまま煮て食べることができる。

1食分の献立例

・大師講団子
・こづゆ
・カレイの唐揚げ(だいこんの酢の物、青しそ)
・ほうれんそうのクルミ和え
・あんぽ柿入りきんとん

1食分の1人分栄養表示

熱量:623Kcal
たんぱく質:25.0g
脂質:18.0g
ナトリウム量(食塩相当量):2.0g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<大師講団子>
米:30g
白玉粉:20g
★あずき:10g

<カレイの唐揚げ>
まこかれい:80g
塩:0.5g
片栗粉:5g
揚げ油:8g
青しそ:2g
★だいこん:30g
塩:少々
酢:3g
砂糖:1g

<ほうれんそうのクルミ和え>
★ほうれんそう:80g
★くるみ:10g
しょうゆ:2g

<あんぽ柿入りきんとん>
さつまいも:60g
あんぽ柿:10g
砂糖:6g
みりん:8g

茨城 Ibaraki

つけけんちんそば Tsukekenchin Soba

料理の背景・いわれ

根菜類がよくとれる茨城県ではけんちん汁もよく作られたため、けんちん汁にそばをつけて食べるのが風習になった。江戸時代の後期にはすでにつけけんちんが食べられていたといわれている。旧暦の新年(現在の節分の時期)にそばを食べるつけけんちんの風習は水戸藩から広がったといわれている。今も、北部地域を中心に茨城県全域で食べられており、地域に深く根づいている郷土料理である。

1人分栄養表示

熱量:510Kcal
たんぱく質:20.8g
脂質:12.6g
ナトリウム量(食塩相当量):1.6g

使用した持続可能な未来の食材

・そば
・大豆
・ごぼう
・だいこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

そば(常陸秋蕎麦):120g
★ごぼう:10g
にんじん:25g
★だいこん:10g
さといも:50g
板こんにゃく:60g
★木綿豆腐:75g
しいたけ:10g
いもがら(ずいき)乾:1g
ごま油:6g
かつお昆布だし:300ml
赤みそ:10g
根深ねぎ:5g

料理の作り方

  1. 昆布は乾いた布巾で表面を軽くふき、水とともに鍋にいれて10~30分置いておく。
  2. ①をフタをせずに弱火にかける。沸騰直前に昆布を取り出し、鰹節を加える。
    鍋の周りが沸騰し始めたら火を消しアクをとり、そのまま1~2分ほど置いておく。鰹節が鍋底に沈んだら、ザルに布巾やキッチンペーパー等をかけて静かに濾す。
  3. ごぼうはささがぎにし、水にさらしてアクを抜いておく。いもがらは水で戻し、1㎝の小口切りにする。
  4. さといもは輪切り、こんにゃくは一口大にちぎる。だいこん・にんじんがいちょう切り、しいたけは千切りにする。
  5. 豆腐は1㎝角のさいの目に切る。
  6. 鍋にごま油を入れ、中火で③、④を炒める。全体がしんなりしたら、①のだし汁を加えて煮る。
  7. さといもに火が通ったら、みそ、豆腐を加えてひと煮たちさせる。
  8. そばを規定通りにゆで、水でしめる。
  9. 器に盛りつけ、薬味のねぎを添える。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)

食材の背景

朝晩の寒暖差が大きく水捌けの良い傾斜地が多いことから、江戸時代からそば栽培が盛んであった。昭和53年からブランド品種の育成に取り組み、常陸秋そばが誕生した。優れた性質を守るため種子管理が徹底されている。

1食分の献立例

・つけけんちんそば
・れんこんのきんぴら
・ほうれんそうの納豆和え
・果物(メロン)

1食分の1人分栄養表示

熱量:714Kcal
たんぱく質:26.6g
脂質:19.6g
ナトリウム量(食塩相当量):2.7g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<れんこんのきんぴら>
★れんこん:50g
にんじん:10g
サラダ油:4g
料理酒:4g
濃口しょうゆ:4g
上白糖:3g
唐辛子(鷹の爪):0.1g

<ほうれんそうの納豆和え>
★ほうれんそう:60g
★ひきわり納豆:20g
濃口しょうゆ:2g
ごま油:1g

<果物>
メロン(緑肉種):120g

栃木 Tochigi

しもつかれ Shimotsukare

料理の背景・いわれ

2月の初午に、赤飯と藁を束ねて作った「わらづと」にしもつかれを入れて稲荷神社に供え、穀物の豊作や家中の無病息災を祈ったとされる。初午の頃は、野菜の調達が難しいため、正月に食べた塩引きさけの頭や、節分に煎った福豆の残りの大豆、目の粗い竹製のだいこんおろし器の「鬼おろし」で粗くすり下ろしただいこんやにんじん等と酒粕を煮込んだ料理。また、「七軒のしもつかれを食べると病気にならない」という言い伝えもある。

1人分栄養表示

熱量:187Kcal
たんぱく質:14.7g
脂質:8.9g
ナトリウム量(食塩相当量):1.0g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・だいこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

鮭の頭(身でも可):40g
★だいこん:120g
にんじん:30g
★大豆:10g
★油揚げ:10g
酒粕:5g
食塩:0.2g
絹さや(ゆで):2g

料理の作り方

  1. 塩鮭の頭はよく洗い、1度ゆでこぼして臭みをとる。(鮭の身を使用する場合は、しなくてもよい)
  2. 圧力鍋に①の頭、水を入れ、中火で30分程煮る。
  3. だいこん、にんじんは皮をむき、鬼おろしでおろす。
  4. 大豆は水でもどし、皮を除く。
  5. 油揚げは、薄く焦げ目がつくくらいに焼き、縦半分に切ってから細切りにする。
  6. 酒粕は小さくちぎり、熱湯に浸し軟らかくする。
  7. 厚手の鍋に、②~⑤の材料を全部入れ、柔らかくなるまで1~2時間煮込む。
  8. 味がなじんで柔らかくなったら、酒粕を加えてさっと煮る。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

大豆は、畑の肉とも呼ばれるほど、良質なたんぱく質が多く含まれている。食品の長期保存が難しい時代の貴重なたんぱく源であった。乾燥したままの状態で常温で2年以上保存することが可能な保存性の高い食材である。

1食分の献立例

・お赤飯
・みそ汁
・しもつかれ
・かんぴょうのごま酢和え

1食分の1人分栄養表示

熱量:596Kcal
たんぱく質:26.4g
脂質:12.8g
ナトリウム量(食塩相当量):2.4g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<赤飯>
もち米:80g
★小豆:12g
食塩:0.2g
★ごま:0.2g

<みそ汁>
淡色辛みそ:9g
かつおだし汁:150ml
★木綿豆腐:30g
にら:20g

<かんぴょうのごま酢和え>
かんぴょう(ゆで):40g
きゅうり:15g
にんじん:10g
米酢:5g
上白糖:3g
★ごま:2g

<果物>
いちご:45g

群馬 Gunma

おきりこみ Okirikomi

料理の背景・いわれ

冬の日照時間が長く,乾燥した気候と水はけのよい土壌に恵まれている群馬県は、古くから米麦二毛作が盛んで、特有の粉食文化を発展させている。その代表的な料理が「おきりこみ」で、農作業で忙しい農家を中心に、簡単に作れ、栄養バランスにも優れた家庭料理として 江戸時代から食べられてきたと伝えられている。塩を入れずに打った生麺を、下ゆでせずに直接大鍋に切り込み、旬の野菜やきのこ等と一緒に煮込む。

1人分栄養表示

熱量:431Kcal
たんぱく質:16.8g
脂質:5.0g
ナトリウム量(食塩相当量):2.6g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・チンゲンサイ
・えのきたけ
・ごぼう
・だいこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

中力粉:75g
中力粉(打ち粉):8g
濃口しょうゆ:9g
本みりん:6g
淡色辛みそ:6g
煮干しだし汁:450ml
にんじん:15g
★だいこん:25g
さといも:35g
★ごぼう:15g
★油揚げ:8g
★チンゲンサイ:30g
しいたけ:10g
★えのきたけ:10g
長ねぎ:10g
豚もも肉(赤身):30g

料理の作り方

  1. ボウルに中力粉を入れ、中央をへこませて水50㎖を少しずつ加え、耳たぶより少し固めにこねる。
    (気温等により、水が余る場合がある)
  2. 生地を丸めてビニール袋に入れ、30分ぐらいねかす。
  3. 鍋に水を600ml入れ、頭と腹ワタをとった煮干し 18gを加え、フタなしでひと煮立させ、 さらに弱火で8分ほど加熱後にこして、だし汁(450ml)を作る。
  4. 具材を食べやすい大きさに切る。にんじん・だいこんはいちょう切り、さといもは輪切り、ごぼうは斜め薄切り、油揚げは7mm短冊切り、豚肉は1cm短冊切り、生しいたけは薄切り、えのきだけは石づきを切り落とし半分の長さに切る、チンゲンサイは2cmのざく切り、長ねぎは斜め薄切りにする。
  5. 鍋にだし汁450ml入れ、チンゲンサイと長ねぎ以外の具材を入れ、あくを取りながら、10分ほど加熱する。
  6. 台に打ち粉を振り、ねかした生地を置き、手のひらで押して平らにしてから、めん棒で2~3㎜の厚さにのばす。のばした生地をプリーツ状に折りたたみ、約1.5㎝幅に切る。
  7. 表面の粉を軽く落した麺を⑤に加え、更に煮込む。(3分ぐらい)
  8. 鍋に、しょうゆ、みそ、みりんを入れて 味を付ける。
  9. 最後にチンゲンサイと長ねぎを加え、ひと煮立ちしたら火を止めて器に盛る。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)

食材の背景

チンゲンサイは、中国原産の緑黄色野菜である。ビタミンやミネラルを含む栄養豊富な野菜で味わいに癖がなく、炒め物やスープ、煮物など幅広い料理に使われている。群馬県でも多く栽培され、一年中市場に出回る野菜である。

1食分の献立例

・おきりこみ
・ほうれんそうとこんにゃくの白和え
・果物(りんご)

1食分の1人分栄養表示

熱量:651Kcal
たんぱく質:25.2g
脂質:17.3g
ナトリウム量(食塩相当量):2.8g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<ほうれんそうとこんにゃくの白和え>
★木綿どうふ:80g
★ほうれんそう:60g
板こんにゃく:25g
★すりごま:9g
上白糖:6g
ストレートめんつゆ:6g
ごま油:4g

<果物>
りんご(皮付き):60g

埼玉 Saitama

武蔵野肉汁うどん Musashino Nikujiru Udon

料理の背景・いわれ

肉汁うどんは水でしめてざるに盛ったうどんを、豚肉・長ねぎ等を入れた温かいつゆに付けて食べる昔から埼玉県で愛される伝統的な郷土料理である。小麦栽培農家の日常食としてはもちろん、冠婚葬祭や年中行事等、さまざまな場面で食べられてきた。県内地域ごとにバラエティー豊かなうどん文化がさまざまな食材と組み合わせ発展してきた。

1人分栄養表示

熱量:501Kcal
たんぱく質:24.5g
脂質:21.7g
ナトリウム量(食塩相当量):2.0g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・まいたけ
・だいこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

うどん:200g
豚小間肉薄切り:50g
★油揚げ(1/2枚):20g
深谷ねぎ(1/4本):20g
★マイタケ:10g
にんじん:10g
★だいこん:20g
だし汁かつお節:1g
濃口しょうゆ:7g
本みりん:4g
小松菜(ゆで):20g
ゆで卵:50g
ゆず:1g
七味唐辛子:少々

料理の作り方

  1. 豚小間肉薄切りは4㎝位の一口大に切る。油揚げは横半分に切り1㎝幅に切る。深谷ねぎは2~3cm幅のぶつ切りにする。まいたけは一口大の小房に分ける。にんじん、だいこんはイチョウ切りにする。小松菜は塩ゆでして5㎝位に切る。ゆで卵を作る。ゆずは皮を薄くむき、せん切りにする。
  2. うどんはゆでてザルに上げて冷水で洗って水気をきり、器に盛り、小松菜とゆで卵を添える。
  3. 鍋の中にかつおだしを入れてまいたけ、にんじん、だいこんを入れて柔らかくなったら、油揚げ、ねぎを加えて調味をし、器に盛る。
  4. ゆず、七味唐辛子、(すりごま、おろししょうが)などを薬味に添える。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

埼玉県は麦踏みや二毛作を提唱し麦の多収栽培方法の開発に尽力した麦翁(麦王)権田愛三を輩出した。小麦中心の食生活が豊かな食材と組み合わせ発展してきた。

1食分の献立例

・武蔵野肉汁うどん
・みそポテト
・あまりんヨーグルト
・ミニいがまんじゅう

1食分の1人分栄養表示

熱量:785Kcal
たんぱく質:30.6g
脂質:27.4g
ナトリウム量(食塩相当量):2.7g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<みそポテト>
じゃがいも:80g
小麦粉:10g
揚げ油:5g
みそ:5g
砂糖:8g
酒:3g
ブロッコリー:20g

<あまりんヨーグルト>
いちご:30g
無脂肪ヨーグルト:30g

<ミニいがまんじゅう>
まんじゅう:20g
赤飯:15g
★ゆで小豆ささげ:5g
★ごま:1g

千葉 Chiba

太巻き祭り寿司 Furumaki Festival Sushi

料理の背景・いわれ

太巻き祭り寿司は、150年以上前から作られる農村部で発達した郷土料理である。米とのりに地元の農産物やかんぴょうを用い、米を作る農民の手から生まれたところに価値がある。この巻き寿司の特徴は、寿司飯や具を逆さ絵で組み上げ、切り口に花や動物、景色、文字等が現れることでる。のり巻きと卵巻きがあり文様は100種類をはるかに越え、冠婚葬祭や年中行事等に欠かせない郷土料理であり、食育授業で継承している。

1人分栄養表示

熱量:401Kcal
たんぱく質:10.1g
脂質:5.3g
ナトリウム量(食塩相当量):1.4g

使用した持続可能な未来の食材

・のり
・ほうれんそう

材料名(1人分量g)★未来の食材

<椿の花>
めし:70g
米酢:4g
上白糖:2g
食塩:0.2g
★焼きのり:1g
鶏卵:20g
上白糖:2.5g
清酒:2g
食塩:0.1g
調合油:0.1g
★ほうれんそう:6.25g
桜でんぶ:2.5g
やまごぼうみそ漬:2g

<バラの花>
めし:40g
米酢:2g
上白糖:1g
食塩:0.15g
★焼きのり:1g
鶏卵:16g
食塩:0.1g
調合油:0.1g
★ほうれんそう:7g
赤ピーマン:7g

<桃の花>
めし:60g
米酢:3g
上白糖:2g
食塩:0.2g
★焼きのり:1g
★ほうれんそう:7g
プロセスチーズ:5g
かんぴょう(乾):1g
上白糖:0.1g
桜でんぶ:4g

料理の作り方

<椿の花>

  1. 巻きす(小)の上に1/4ののりを置いて、桃色の寿司めしをのせ、細巻きを5本作る。これで花を作る。
  2. 巻きすの上に細巻きを1本ずつのせて、中心に山ごぼうを入れ花を組み、巻きすでしっかり巻いて落ち着かせる。 巻きす(大)の上に卵焼きを置いて、白の寿司めしを広げ、3本の山を作る。 山の部分に、のり1枚を山に沿って被せ、手前からほうれんそう、桜でんぶ、ほうれんそうの順に山の間に置き、①の花を置く。
  3. 巻きすごとよこ位置に持ち替えて左右から寄せ、残りの寿司めしを補いながら巻き上げる。

<バラの花>

  1. 巻きす(小)の上に薄焼き卵を置いて、桃色の寿司めしと赤ピーマンをバラバラと散らし、手前からしっかり巻き込む。もう一枚の薄焼き卵も同様に具を散らし、先に作った卵の渦巻きを手前に置き、しっかりと巻く。 巻きす(大)をたて位置にし、のり1枚を置いて、白い寿司めしを広げ、手前から1/3のところに1/4ののりを置き、上から菜ばしで溝を2本作る。向こう側1/3のところに1/6ののりを置き、上から菜ばしで溝を1本作る。
  2. ①で作った溝に、ほうれんそうを入れる。中央に①で作っておいた花を置いて、巻きすをよこ位置に持ちかえ左右から寄せ、残りの寿司めしをおぎないながら巻き上げる。

<桃の花>

  1. 巻きす(小)に1/4ののりを置き、紅梅かんぴょう1本を置き、桜でんぶ、桃色寿司めし、次に白い寿司めしを順に重ね、細まきを作る。これを5本作る。巻きす(小)の上に細巻き1本をのせて、その両側に細巻きを1本ずつ載せる。中心に棒チーズ2本を入れ、残りの細巻き2本をかぶせるようにのせ花を組む。のりの合わせ目にほうれんそうを置き、巻きすで巻いて落ち着かせる。
  2. 巻きす(大)を立て位置にし、全形ののりを置いて、白い寿司めしを広げる。巻きすを横位置にし中央に花を置き、左右から寄せ、残りの寿司めしをおぎないながら巻き上げる。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

千葉県でのり養殖は、200年ほど前の江戸時代に、近江屋甚兵衛がのりの養殖と製造法の研究を重ね成功したことから始まり、近隣で養殖が広がり東京湾が生産地となった。香りの良い上総のりとして親しまれている。

1食分の献立例

・太巻き祭り寿司
・いわしのにらピカタ
・きゃべつのりあえ
・きのこ汁
・嶺岡豆腐

1食分の1人分栄養表示

熱量:674Kcal
たんぱく質:23.9g
脂質:16.3g
ナトリウム量(食塩相当量):3.0g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<いわしのにらピカタ>
まいわし生:40g
食塩:0.1g
薄力粉:2g
鶏卵:20g
にら:10g
調合油:2g
たまねぎ:6g
濃口しょうゆ:2g
米酢:1.5g

<きゃべつのりあえ>
きゃべつ:60g
ごま油:2g
濃口しょうゆ:1.5g
★焼きのり:1.5g

<きのこ汁>
生しいたけ:10g
なめこ:10g
★えのきたけ:20g
★まいたけ:10g
にんじん:5g
こねぎ葉:3g
かつおだし:150ml
濃口しょうゆ:1.2g
食塩:0.4g

<嶺岡豆腐>
普通牛乳:50g
上新粉:1g
じゃがいもでん粉:10g
グラニュー糖:3g
★きな粉:2g
上白糖:1g
食塩:0.01g

神奈川 Kanagawa

けんちん汁 Kenchin-jiru

料理の背景・いわれ

けんちん汁は、鎌倉にある建長寺の初代住職が野菜の残りを無駄なく使うために作ったとされ、建長寺汁と呼ばれていた。精進料理として700年以上前から食されてきたものを修行僧が各地に広めたといわれており、建長寺汁が訛って「けんちん汁」となったという説もある。鎌倉発祥ということで神奈川県の郷土料理として登録されており、僧侶の無駄をなくす精神は現在のSDGsに通じるものがある。

1人分栄養表示

熱量:94Kcal
たんぱく質:4.0g
脂質:5.0g
ナトリウム量(食塩相当量):1.3g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・ごぼう
・だいこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

★木綿豆腐:20g
★油揚げ:5g
★だいこん:25g
にんじん:15g
さといも:20g
★ごぼう:15g
長ねぎ:10g
こんにゃく:15g
干し椎茸:1g
だし汁:160ml
塩:0.8g
しょうゆ:2g
胡麻油:2g

料理の作り方

  1. 昆布、かつお節でだしをとる。干し椎茸はたっぶりの水で戻す。
  2. 野菜を食べやすい大きさに切る。だいこん、にんじんは3mm幅程度のいちょう切り。ごぼうは斜め薄切りにし、酢水にさらす。こんにゃくは色紙型で3mm幅程度に切る。干し椎茸は戻したらうす切りにする。油揚げは横半分に切り、1㎝幅に切る。さといもは皮をむき8mm幅程度の半月切りにする。木綿豆腐は手で一口大に大きくちぎる。長ねぎは3mm幅の小口切りにする。
  3. 鍋に胡麻油を入れ、だいこん、にんんじん、ごぼう、こんにゃく、もどした干し椎茸を油が回るまで炒める。
  4. ③に油揚げ、さといも、だし汁、干し椎茸の戻し汁を入れ野菜が柔らかくなるまで煮る。
  5. 野菜に火が通たら木綿豆腐を足し、調味する。
  6. 火を止める直前に長ねぎを入れ、ひと煮たちしたら火を止める。
  7. 汁椀に盛りお好みで七味などを加えてもよい。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)

食材の背景

けんちん汁には様々な野菜と豆腐や油揚げなどの大豆製品が使われている。その中でもだいこんは三浦市がだいこんの一大産地として知られており、鎌倉野菜と合わせて汁の具材として使用されている。

1食分の献立例

・梅ご飯
・けんちん汁
・しゅうまい
・のらぼう菜の磯和え
・鎌倉野菜のピクルス

1食分の1人分栄養表示

熱量:650Kcal
たんぱく質:27.1g
脂質:17.0g
ナトリウム量(食塩相当量):4.7g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<梅ご飯>
米:70g
梅干し(小梅):5g
大葉:0.5g

<しゅうまい>
豚ひき肉:70g
ホタテ水煮:15g
たまねぎ:30g
生椎茸:10g
生姜:3g
かたくり粉:1g
オイスターソース:2g
酒:2g
塩・こしょう:少々
しょうゆ:1g
しゅうまいの皮:7枚
はくさい:120g
辛子しょうゆ:6g

<のらぼう菜の磯和え>
のらぼう菜:60g
★焼きのり:0.5g
しょうゆ:3g

<鎌倉野菜のピクルス>
紅芯だいこん:30g
黄色にんじん:12g
ロマネスコ:30g
パプリカ(赤):5g
米酢:6g
砂糖:2g
食塩:0.5g
ローリエ:1枚
黒こしょう:1粒
鷹の爪輪切り:2かけ

東京 Tokyo

うなぎの柳川風煮 Yanagawa-style eel stew

料理の背景・いわれ

柳川鍋はどじょうを使った江戸生まれの鍋料理で、ごぼうとともに甘辛い割り下で煮込み、卵でとじる江戸庶民には馴染みの深い料理であった。当時は獣肉を食べる習慣がなかったので、どじょうは栄養がある食品として貴重であった。現在では逆にどじょうは入手が難しくなってきているためうなぎでアレンジしている。将来、うなぎは入手しやすくなることを期待してうなぎで滋養にあふれた食事が取れるよう願いを込めている。

1人分栄養表示

熱量:203Kcal
たんぱく質:13.3g
脂質:11.4g
ナトリウム量(食塩相当量):1.2g

使用した持続可能な未来の食材

・チンゲンサイ
・ごぼう

材料名(1人分量g)★未来の食材

うなぎかば焼き:30g
たまねぎ:25.g
★ごぼう:15g
鶏卵:60g
みつば:5g
だし:50ml
濃口しょうゆ:3g
上白糖:2g
料理酒:3g

料理の作り方

  1. たまねぎは、スライスにする。
  2. ごぼうは、ささがきにして、水にさらす。
  3. 三つ葉は、ざく切りにする。
  4. だし汁の中に分量の調味料を入れ、その中に①のたまねぎ、②のごぼうを入れて軟らかくなるまで煮る。
  5. ④に火が通ったら、ざく切りにしたうなぎを入れる。
  6. ⑤の中に、溶き卵を流し入れ、半熟状態になったたら、火を止める。
  7. 器に盛り付けて、③の三つ葉を飾る。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)

食材の背景

鰻は古くから「精のつく食材」とされ、隅田川でとれたものを江戸前鰻といい江戸っ子達は重宝していた。現在は高額となったが、近年、鰻の稚魚の大量生産が可能となり、未来へ続く食材となっている。

1食分の献立例

・だいこんめし
・うなぎの柳川風
・紫キャベツの甘酢
・すいとんのくるみだれ
・ほうれんそうのすまし汁

1食分の1人分栄養表示

熱量:680Kcal
たんぱく質:22.3g
脂質:20.2g
ナトリウム量(食塩相当量):2.5g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<だいこんめし>
ごはん:43g
★だいこん:25g
だいこん葉:8g
★ごま:1g
食塩:0.3g

<紫キャベツの酢の物>
★紫キャベツ:50g
穀物酢:3g
オリーブオイル:3g
上白糖:4g
食塩:0.2g

<すいとんのくるみだれ>
薄力粉:20g
片栗粉:5g
★くるみ:5g
上白糖:3g
みりん:3g
濃口しょうゆ:1g

<ほうれんそうのすまし汁>
★ほうれんそう:25g
★えのきたけ:7g
★木綿豆腐:25g
だし汁:75ml
柚子皮:1g
食塩:0.3g
薄口しょうゆ:2g

新潟 Niigata

のっぺ Noppe

料理の背景・いわれ

平成19年に「農林水産省の農山漁村の郷土料理百選」に選出された「のっぺ」または「のっぺい汁」とも呼ばれる。正月には欠かせないごちそうであるが、祭りや法事、婚礼等でも振る舞われる。具は主役のさといも以外に、れんこん、にんじん、しいたけ、新巻さけ等、だしは貝柱、しいたけ、焼き干し魚(あご、カマス)等、具の切り方は、行事や地域によって異なる。さといもによりとろみをつけ、いくらをあしらうのが特徴である。

1人分栄養表示

熱量:131Kcal
たんぱく質:8.5g
脂質:2.4g
ナトリウム量(食塩相当量):1.9g

使用した持続可能な未来の食材

・れんこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

干しホタテ貝柱:2.5g
干しいたけ:1g
さといも:50g
にんじん:10g
こんにゃく:15g
筍水煮:15g
かまぼこ:10g
★ごぼう:10
★れんこん:15g
絹さや:1g
塩鮭:20g
ギンナン:5g
イクラ:2g
しょうゆ:0.4g
みりん:0.2g
だし汁:40ml
みりん:2.4g
酒:3g
塩:0.8g
しょうゆ:0.5g

料理の作り方

  1. さといも、にんじん、こんにゃく(ゆでてあく抜きしておく)・筍・干しいたけ・かまぼこは1.5cm位の角切り、又は拍子木切りにする。
  2. ごぼうは小口切り、れんこんは角切りにして、それぞれ水にさらしあく抜きする。絹さやはゆでて斜め切りにしておく。塩鮭は2cm位の角切りにして、さっと湯通ししておく。
  3. 鍋に、にんじん、こんにゃく、干しいたけを入れ、だし汁をひたひたに入れ、ひと煮立ちさせる。その後貝柱を戻し汁とともに入れ、塩鮭・ごぼう、レンコン、筍を入れ、にんじんが柔らかくなるまでアクを取りながら10分程度煮る。その後さといもを入れる。
  4. みりん・酒・塩で味付けし、最後にかまぼこ、ギンナンを入れてさっと煮る。最後にしょうゆを入れて、さといもが柔らかくなりすぎないうちに火からおろす。
  5. 味がなじんだら、器に盛り、いくらのしょうゆ漬け、絹さやを上に散らす。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

新潟県の産物であるれんこん「大口れんこん」は、中国から日本に伝来し、新潟県では明治15年頃から栽培が始められた。しゃきっとした歯ごたえが持ち味であり、収穫期が長く、季節を超えて様々な料理に使われる。

1食分の献立例

・正月もち2種
・のっぺ
・さめフライ
・菊のお浸し

1食分の1人分栄養表示

熱量:631Kcal
たんぱく質:23.0g
脂質:14.0g
ナトリウム量(食塩相当量):3.2g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<正月餅2種>
もち:100g
★ゆで小豆缶詰:30g
★きな粉砂糖入り:3g

<サメのフライ>
サメ:80g
米粉:1.5g
鶏卵:5g
パン粉:5g
揚げ油:10g
中濃ソース:8g
キャベツ:30g
レモン汁:5g

<菊のお浸し>
菊:15g
酢:1g
ポン酢しょうゆ:1.5g

富山 Toyama

だいこん菜のよごし Daikon no Yogoshi

料理の背景・いわれ

富山県西部に位置する砺波平野を中心とした地域で、日常的に食されている。ゆでた野菜を細かく刻み、みそと和えて炒めた料理で、夜に作り置きをしておいて翌日の朝に食べることから「夜越し」の意味で「よごし」と呼ばれるようになった。みそで野菜を「汚す」という意味で「よごし」になったともいわれている。

1人分栄養表示

熱量:57Kcal
たんぱく質:1.8g
脂質:3.2g
ナトリウム量(食塩相当量):0.4g

使用した持続可能な未来の食材

★ごま
★だいこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

★だいこん葉:60g
★ごま油:2g
淡色辛みそ:3g
砂糖:2g
★いりごま(白):2g

料理の作り方

  1. だいこん菜は流水でしっかり洗う。
  2. だいこん菜をゆで、ゆであがったら水にとる。
  3. ②をしっかり絞り、5mm幅で刻む。
  4. 鍋にごま油を入れ、③を入れ、みそ、砂糖で味をつけ、最後にいりごまを混ぜ合わせる。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

よごしは、畑で間引きした葉物を主に使用する。だいこん菜をはじめ、ほうれんそう、にんじんの葉、いもじ(さといもの葉)など、その時々で使う素材が違うため、季節感や地域性も反映されやすい。

1食分の献立例

・ごはん
・白エビのかき揚げ
・だいこん菜のよごし
・干し柿
・ニギスのつみれ汁

1食分の1人分栄養表示

熱量:700Kcal
たんぱく質:22.1g
脂質:15.1g
ナトリウム量(食塩相当量):2.9g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<ごはん>
米:80g

<白エビのかき揚げ>
白エビ(生):40g
たまねぎ:20g
にんじん:5g
根三つ葉:5g
ししとう:10g
食塩:0.2g
天ぷら粉:15g
米ぬか油:10g
すだち果汁生:1g
干し柿:30g

<にぎすのつみれ汁>
にぎす:50g
淡色辛みそ:3g
長ねぎ:20g
じゃがいもでん粉:4g
生姜皮なし生おろし汁:5g
★ごぼう:15g
しいたけ:15g
にんじん:10g
薄口しょうゆ:6g
酒:6g
昆布だし:200ml
こねぎ(葉):5g

石川 Ishikawa

ぶり治部煮 Buri Jibu-ni

料理の背景・いわれ

治部煮は石川県を代表する郷土料理で、藩政期から続く伝統的な武家料理の代表格である。鴨猟が盛んな時代に生まれた治部煮は、寒い冬に温まる料理として、武家や庶民に親しまれていた。鴨肉に小麦粉をまぶし、加賀特産のすだれ麩や季節の野菜と共に甘辛く煮たものを、伝統工芸品である蒔絵を施した平たい塗椀(治部椀)に彩りよく盛り付け、薬味にわさびを添える。郷土が誇る滋味豊かな治部煮を、後世に永く受け継ぎたい。

1人分栄養表示

熱量:256Kcal
たんぱく質:17.3g
脂質:10.3g
ナトリウム量(食塩相当量):0.8g

使用した持続可能な未来の食材

・ほうれんそう
・れんこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

ぶり:75g
小麦粉:7g
すだれ麩:10g
さといも:20g
筍水煮:15g
★ほうれんそう:20g
★れんこん:10g
生しいたけ:10g
花麩:2g
昆布(出汁):0.2g
かつお節(出汁):1.5g
濃口しょうゆ:2.5g
清酒:1g
三温糖:1g
本みりん:1g
練りわさび:2g

料理の作り方

  1. 昆布とかつお節でだしをとり(一人分200ml程度)、底の広い鍋に移して、しょうゆ、酒、みりん、三温糖で味付けする。
  2. ぶりは1切れ25gほどの切り身になるように厚さ1cmほどに切る。すだれ麩は3㎝幅5㎝長さに切る。小さめのさといもの皮を剥き水に浸しておく。筍水煮は小さめのものを縦に8等分に切る。ほうれんそうは洗ってゆでて4㎝切りそろえておく。れんこんは皮をむき1㎝の輪切りにして水に浸しておく。生しいたけは石づきをとり飾り包丁を入れる。花麩は水で戻しておく。
  3. さといも、れんこん、筍、すだれ麩、しいたけ、花麩の順に煮る。
  4. 煮た具材を取り出して、椀に盛りつける。
  5. 具材を取り出した煮汁の鍋をもう一度沸かして、小麦粉をまぶしたぶりをさっと煮る。
  6. ④の椀にぶりとほうれんそうを盛りつけて、煮汁を張りわさびを添える。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

治部煮は鴨肉で作る料理であるが、高価で手に入り難い。そこで、輪島沖で冬に多く水揚げされる寒鰤を使い、特産品のすだれ麩とほうれんそう、蓮根など冬野菜と煮付けて、輪島塗の治部椀に盛り、能登の復興を願いたい。

1食分の献立例

・赤飯
・ぶり治部煮
・甘酢野菜
・お味噌汁
・寒天金時草

1食分の1人分栄養表示

熱量:747Kcal
たんぱく質:28.4g
脂質:18.0g
ナトリウム量(食塩相当量):2.5g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<赤飯>
精白米:20g
もち米:50g
★小豆:12g
食塩:0.5g
★いりごま:1g

<甘酢野菜味>
きゅうり:10g
★だいこん:10g
★ごぼう:10g
さつまいも:10g
ミニトマト:15g
かぼちゃ:10g
★くるみ:7g
上白糖:2g
米酢:2g
食塩:0.2g

<みそ汁>
★坚豆腐:25g
加賀丸いも:20g
にんじん:5g
★まいたけ:5g
★岩のり:0.5g
糸みつば:5g
ゆず:2g
能登いしる:0.5g
ウルメ節(出汁):2g
すりみそ:7g

<寒天金時草>
金時草:10g
上白糖:10g
粉寒天:1g
水:50ml
日本なし:30g

福井 Fukui

天ぷらおろしそば Tempura Oroshi Soba

料理の背景・いわれ

1471年に戦国大名の朝倉孝景が籠城用食糧として栽培したのが始まりとされ、1601年、当時の城主がそば師を伴って赴任した頃にだいこんおろしを添える食べ方が広まったと伝わる。昭和30年代以降「越前そば」として地域ブランド化され観光客にも親しまれるようになった。越前おろしそばは、ほんのり甘みのある県産そばとピリリと辛いだいこんおろしとの絶妙な味わいが特徴。郷土の味として冬でも冷たいおろしそばが親しまれている。

1人分栄養表示

熱量:446Kcal
たんぱく質:19.5g
脂質:9.1g
ナトリウム量(食塩相当量):2.5g

使用した持続可能な未来の食材

・そば
・だいこん
・まいたけ

材料名(1人分量g)★未来の食材

★そば(ゆで):200g
★だいこんおろし:60g
葉ねぎ:5g
かつお削り節:1g
めんつゆストレート:70g
ブラックタイガー(えび):30g
鶏肉(むね皮なし):20g
★まいたけ:20g
小麦粉(天ぷら用):7g
なたね油:7g

料理の作り方

  1. だいこんは皮をむき、おろし器でおろす。
  2. 葉ねぎは小口切りにしておく。
  3. えびは下処理をして、鶏むね肉は削ぎ切り、まいたけは食べやすい大きさに切る。
  4. てんぷら粉で衣を作り③の材料を揚げる。
  5. そばをゆで、水で締めてから水気をきり、器にそば、だいこんおろし、ねぎ、天ぷら、かつお節を盛り付け、食べる直前にそばつゆをかける。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

福井県は寒冷な気候と水はけの良い土壌により、古くから良質な在来種そばの栽培が盛んである。作付面積や収穫量が全国上位で、例年9月頃から可憐なそばの白い花が一面に咲き誇る。小粒で味が濃く、香り豊かである。

1食分の献立例

・天ぷらおろしそば
・越のルビーのサラダ
・リンゴのヨーグルトあえ

1食分の1人分栄養表示

熱量:585Kcal
たんぱく質:23.0g
脂質:15.3g
ナトリウム量(食塩相当量):2.9g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<越のルビーのサラダ>
★赤色ミニトマト:40g
ブロッコリー:20g
たまねぎ:5g
オリーブ油:4g
穀物酢:2g
食塩:0.3g
こしょう:0.1g

<リンゴのヨーグルトサラダ>
りんご皮つき:75g
ヨーグルト(全脂無糖):70g

山梨 Yamanashi

ほうとう Hōtō

料理の背景・いわれ

平安時代に中国から伝えられた食べ物であるといわれ、はじめは日本各地にあった。山梨県は大部分が山地であるため、昔から米作が乏しく、主食として米を用いることが極めて困難であったので、そのため米に変わる食料が平常食となり、小麦粉を材料とする「ほうとう」は、本県の食生活の中心となり長い間伝承され郷土食として定着した。小麦粉は少量の塩を加えこねて幅広のほうとう麺を作り、生麵のままみそで具材と共に煮込む。

1人分栄養表示

熱量:531Kcal
たんぱく質:20.1g
脂質:12.3g
ナトリウム量(食塩相当量):2.3g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・ほうれんそう
・えのきだけ
・まいたけ
・ごぼう
・だいこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

中力粉:90g
煮干し:5g
淡色辛みそ:15g
かぼちゃ:30g
★ごぼう:10g
★だいこん:20g
にんじん:15g
長ねぎ:10g
白菜:30g
★ほうれんそう:10g
さといも:40g
★えのきだけ:5g
★まいたけ:10g
★油揚げ:5g
鶏もも皮付き:40g
豚バラ脂身付き:10g

料理の作り方

  1. 煮干しに水1.5カップを加えて30分ほど置いておく。
  2. ごんばち又はボールに中力粉を入れ、粉の中央をへこませて、そこにぬるま湯を少しずつ加えながら、水でやっとまとまる程度に硬めにこねて丸め、ぬれぶきんをかぶせ30分おく。
  3. 具材を食べやすい大きさに切る。かぼちゃは角切り、だいこん、にんじんはいちょう切り、さといもは乱切り、ほうれんそう、白菜は3㎝のざく切り、ごぼうはささがき、長ねぎは小口切り、えのきたけ、まいたけは手でバラバラに、油揚げは短冊切り、鶏もも肉、豚バラ肉は一口大に切る。
  4. 鍋に①1を入れ、弱火で10分加熱し、だしをとる。
  5. 寝かせた②の生地をのし板の上にのせ、打ち粉をしながらのし棒で広げていく。うどんより幅広(1㎝くらい)に切ってほうとう(麺)を作る。
  6. 鍋のだし汁に③の具材を入れて加熱し、煮立ったら麺も加えて、やわらかくなるまで煮込む。
  7. ほうとう(麺)が透き通ってきたらみそで味付けをする。
  8. 麺が汁を吸うので、弱火焦げ付かないように煮込み、全体に火が通ったら器に盛り付ける。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)

食材の背景

山梨には「うまいもんだよかぼちゃのほうとう」という言葉があり、煮込むとかぼちゃはみその中に溶け、みそ味に甘みが加わりおいしくなるので、かぼちゃは外せません。それ以外の肉、野菜、きのこ等は自由です。

1食分の献立例

・ほうとう
・おたふく豆

1食分の1人分栄養表示

熱量:617Kcal
たんぱく質:27.0g
脂質:12.4g
ナトリウム量(食塩相当量):2.6g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<おたふく豆>
そら豆:20g
砂糖:10g
食塩:0.2g

長野 Nagano

おやき Oyaki

料理の背景・いわれ

米の採れない山間地では、小麦粉やそば等が主食の代わりに使われていた。おやきは小麦粉を皮にし、具材に野沢菜、なす等地域の食材をみそやしょうゆで味付けして包み、蒸して( 焼いて)作る。その丸い形から、まとめる・まるめるといいおめでたい意味に繋がり家族の無事を祈ったり、神様や先祖へのご馳走にしていた。季節の野菜を無駄なく利用できることから、食べ物を大切にする先人の知恵がつまった料理として後世に伝えていきたい。

1人分栄養表示

熱量:77Kcal
たんぱく質:1.3g
脂質:2.1g
ナトリウム量(食塩相当量):0.6g

使用した持続可能な未来の食材

・ごま

材料名(1人分量g)★未来の食材

小麦粉(中力粉 1等):15g
野沢菜漬物(調味漬塩出し)20g
濃口しょうゆ:1g
上白糖:1g
植物油:2g

料理の作り方

  1. 野沢菜の漬物は、ボウルに水を入れて1時間程つけて塩抜きをする。野沢菜の水気をしっかり絞り5mm巾のざく切りにする。
  2. 鍋に野沢菜と油を入れ、中火で炒める。全体に油が回ったら、しょうゆ、砂糖を入れて、水分が無くなるまで炒め、皿にとり出して冷ましておく。
  3. ボウルに中力粉と水を入れ、生地がまとまるまでこね、ラップをして30分程おく。
  4. 生地に打ち粉をして、手の平でうすく丸く伸ばす。真ん中に野沢菜のあんを乗せ丸く包み、ごまをふる。
  5. フライパンに油を入れ、中火で両面、キツネ色になるまで焼く。
  6. 蒸し器で15分位蒸す。(フライパンで蒸し焼きにしてもよい)

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

ごまの国産品は非常に少ないが、和・洋・中の料理を始め菓子類など様々な料理に使われている。ごまの栄養価は、成分の約50%は脂質、約20%がたんぱく質であり、脂質のほとんどは不飽和脂肪酸である。

1食分の献立例

・むかごごはん
・根曲り竹の筍汁
・おやき
・凍り豆腐の印籠煮
・そばサラダ
・杏ジャムの天よせ

1食分の1人分栄養表示

熱量:680Kcal
たんぱく質:29.0g
脂質:15.6g
ナトリウム量(食塩相当量):3.0g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<むかごごはん>
精白米:60g
むかご 肉芽:15g

<根曲り竹の筍汁>
筍 若茎(ゆで):40g
さば 水煮缶詰:25g
淡色辛みそ:6g
かつお・昆布だし:200ml
根深ねぎ:10g

<凍り豆腐の印籠煮>
★凍り豆腐:17g
豚 ひき肉:30g
たまねぎ:20g
上白糖:3g
濃口しょうゆ:3g
かぼちゃ:30g
濃口しょうゆ:1g
上白糖:1g
かつお節:0.1g

<そばサラダ>
★そば( ゆで):15g
めんつゆ ストレート:3g
レタス:15g
きゅうり:15g
ミニトマト:15g
みずな:20g
ブロッコリー:20g
りんご 皮つき 生:40g
ゼラチン:1g
食塩:0.3g
かつお 節:1g
上白糖:1g
穀物酢:5g
かつお・昆布だし:20g

<杏ジャムの天寄せ>
あんず ジャム 高糖度:15g
粉寒天:0.5g

岐阜 Gifu

朴葉寿司 Hoba-zushi

料理の背景・いわれ

初夏にとれる朴の木の葉に、酢飯や混ぜご飯を包んだ料理である。田植えや農作業に携帯食として作られたのが始まり、具材は地域や家庭により異なり、混ぜ込んだり、上にのせたりさまざまな味がある。手に入る食材が限られていた時代、塩漬けのますやさけ、酢漬けや五目の具材を用いた。朴葉の青い若葉には殺菌効果があり、また熱いご飯を包むと葉の良い香りが移り、それが美味しさの目安にした等知恵がつまった大切にしたい料理である。

1人分栄養表示

熱量:453Kcal
たんぱく質:12.1g
脂質:11.5g
ナトリウム量(食塩相当量):1.2g

使用した持続可能な未来の食材

・まいたけ

材料名(1人分量g)★未来の食材

精白米:65g
米酢:12g
砂糖:5.5g
減塩タイプ塩:0.4g
しめさば:25g
★まいたけ:30g
生しいたけ:10g
かつおだし:30g
濃口しょうゆ:3g
酒:3g
みりん:12g
砂糖:2g
鶏卵:30g
こめ油:3g
ブロッコリースプラウト:0.1g
紅しょうが:0.5g

料理の作り方

  1. 合わせ酢(砂糖、酢、塩)を合わせておく。
  2. 米を硬めに炊き、炊きあがったら合わせ酢を切るように混ぜる。
  3. しめさばを一口大に切る。
  4. 卵は割りほぐし、砂糖を加えてフライパンに油を熱し、薄焼き卵を焼く。
  5. 鍋にかつおだし、しょうゆ、酒、みりん、砂糖をいれて火にかけて砂糖をとかし、ほぐしたまいたけと千切りのしいたけを加えて汁がなくなるまで煮る。
  6. 寿司めしを半分にわける。
  7. ほうばの葉は茎から5㎝のところでカットし、茎だけ残し、先端を斜めにカットし、葉を止める用に使う。
  8. 朴葉の葉をきれいに拭いて、真ん中に⑥のすし飯を形よくおき、③、④、⑤とスプラウト、紅しょうがをきれいに並べて、包み、ほおばの茎でとめる。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

飛騨地域は山間地に位置し、様々なキノコ栽培がされている。豊かな自然と水によって、まいたけは味、香り、食感がよく、炒め物や煮物、酢飯の具材などに使われている。

1食分の献立例

・朴葉寿司
・鶏肉とオクラのすまし汁
・甘長ピーマンと厚揚げの煮物

1食分の1人分栄養表示

熱量:665Kcal
たんぱく質:24.8g
脂質:21.0g
ナトリウム量(食塩相当量):2.7g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<鶏肉とオクラのすまし汁>
鶏肉ささみ:20g
片栗粉:3g
減塩タイプ塩:0.1g
酒:1g
かつおだし:150ml
★だいこん:10g
★オクラ:6g
濃口しょうゆ:0.5g
減塩タイプ塩:0.8g

<甘長ピーマンと厚揚げの煮物>
★厚揚げ:60g
甘長ピーマン:70g
植物油:3g
かつおだし:100ml
砂糖:3g
酒:5g
濃口しょうゆ:6g
みりん:3g
かつお節:1g

静岡 Shizuoka

駿河そば
(茶そば&桜えびかき揚げ)
Suruga Soba
(Tea Soba & Sakura Shrimp Tempura)

料理の背景・いわれ

「駿河湾の宝石」とも呼ばれる桜えびは、殻が薄く、かき揚げにするとぱりぱりとした食感とうま味があって美味しい。2000年頃までは春になると生の桜えびがスーパーでも売られ、家庭でも刺身やかき揚げを楽しむことができたが、今や高級品となった。そんな桜えびを県内各地で生産されるお茶を使った茶そばと合わせ、赤と緑のコントラストがきれいな、豊かな山と海の食材が出会う静岡県を代表する料理として紹介する。

1人分栄養表示

熱量:550Kcal
たんぱく質:18.9g
脂質:15.0g
ナトリウム量(食塩相当量):2.5g

使用した持続可能な未来の食材

・のり
・そば
・だいこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

★茶そば:90g
めんつゆストレート:50g
★焼きのり:1g
わさび(粉):3g
★だいこんおろし:50g
桜エビ(生):30g
三つ葉:1.5g
小麦粉:3g
天ぷら粉:18g
揚げ油:13.2g

料理の作り方

  1. 三つ葉は洗って根を切り、3cm長さに切る。
  2. 桜エビは洗って水を切り、①の三つ葉と合わせで小麦粉をまぶしておく。 
  3. 天ぷら粉に水を加えて②の具をからませ、しゃもじなどの平な物に丸く乗せて、静かに揚げ油(180度)に投入する。表面が固まってきたら裏返し、カラッとなったら引き上げて油を切る(揚げ時間約2分)
  4. 茶そばはたっぷりの沸騰した湯で5-6分茹でて、ざるにあけて水洗いして麺を締める。
  5. 粉わさびはお湯で溶き、だいこんは皮をむいて卸して余分な汁を切る。
  6. 平たい丼に茶そば、かき揚げ、わさび、だいこんおろしを盛り付け、茶そばの上に切りのりをのせる。
  7. わさび、だいこんおろしは小皿に、蕎麦ちょこに入れた麺つゆを添える。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)

食材の背景

富士山の前に広がる駿河湾は日本一深い湾である。その深海に生息する桜エビは夜になると、富士山の地下水が流入する富士川、大井川の河口付近に上がってくる。近年、漁獲高が減少し、貴重な資源となっている。

1食分の献立例

・茶そば
・桜エビのかき揚げ
・鮪の山かけ
・みかん

1食分の1人分栄養表示

熱量:661Kcal
たんぱく質:26.9g
脂質:15.6g
ナトリウム量(食塩相当量):3.1g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<鮪の山かけ>
めばち鮪赤身:30g
大和いも:30g
しょうゆ:4g

みかん:100g(正味75g)

愛知 Aichi

鉄火みそ Tekka miso

料理の背景・いわれ

鉄火みそは500年ほど前の徳川の時代にその製法が奨励されたと伝わっている。1000年前から製造していた豆みそ(赤みそ)にごぼうやれんこん、しょうが等の根菜類を細かく切って、炒め、煮詰めた鉄火みそは養生食として普及した。不溶性食物繊維が多い根菜類と抗酸化作用のあるメラノイジン( 豆みその赤色)をもつ豆みそによってその効果が期待されている。近年はゆでた大豆を一緒に炒めて常備食として家庭で作られている。

1人分栄養表示

熱量:219Kcal
たんぱく質:8.9g
脂質:8.5g
ナトリウム量(食塩相当量):1.1g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・ごぼう

材料名(1人分量g)★未来の食材

★ごぼう:25g
★ゆで大豆:50g
豆みそ:10g
中ざらめ:10g
酒:10g
みりん:10g
ごま油:3g

料理の作り方

  1. ごぼうは粗目のみじん切りにしてから、水に浸してアク抜きをする。
  2. ごま油を鍋に入れ、熱し、水をよく切ったごぼう炒める。
  3. ②にゆで大豆を加えてさらに炒める。
  4. ③に調味料を入れて、弱火でしっかり練り上げる。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

豆みそは豆麹を使った独特な製法のみそとして愛知県に古くから伝わっている。酷暑厳冬なこの地域は他の麹には適さず、それに耐え得る豆麹を用いてきた。大豆を蒸し、2年熟成する豆みそは煮込む程おいしくなる。

1食分の献立例

・菜飯
・あさりのみそ汁
・鉄火みそ
・煮酢和え(にあえ)
・鬼まんじゅう

1食分の1人分栄養表示

熱量:800Kcal
たんぱく質:19.1g
脂質:12.4g
ナトリウム量(食塩相当量):2.8g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<菜飯>
ごはん:150g
★大根葉:5g

<あさりのみそ汁>
あさり(からつき):100g
豆みそ:6g
水:120ml
酒:7.5g
あさつき:2g

<煮酢和え>
★だいこん:30g
にんじん:15g
★れんこん:15g
★ノバル(サボテン):15g
★油揚げ:8g
だし汁:50ml
上白糖:10g
みりん:10g
食塩:0.3g
酢:10g

<鬼まんじゅう>
さつまいも:50g
小麦粉:20g
上新粉:5g
上白糖:12g
水:10ml

三重 Mie

手こね寿司 Hand-kneaded sushi

料理の背景・いわれ

漁師が船上でとれた魚をその場でさばき、手で混ぜ合わせることから「手こね寿司」と呼ばれ、三重県を代表する郷土料理である。豊かな漁場によって新鮮なかつおやまぐろが手に入り、生で食べられる上に簡単に作ることができ美味しい。かつおやまぐろの赤身を刺身にしてしょうゆ等のタレに漬け込み、酢飯の上に並べ、しそやのり等の薬味を散らす。家庭料理としてだけでなく、宴会等のおもてなし料理としても親しまれている。

1人分栄養表示

熱量:521Kcal
たんぱく質:22.0g
脂質:5.8g
ナトリウム量(食塩相当量):2.0g

使用した持続可能な未来の食材

・のり
・ごま

材料名(1人分量g)★未来の食材

かつお(まぐろ):80g

<A しょうゆ:10g みりん:5g>
青しそ千切り:2g
しょうが千切り:3g
ごはん:200g

<B 出し昆布:1g 酢:15g 食塩:0.5g 砂糖:10g>
★のり千切り:1g
★いりごま:3g

料理の作り方

  1. 精白米は1割増しの水に出し昆布を入れて炊く。昆布は沸騰直前に取り出す。
  2. 米が炊きあがったら、一人分200gにBを混ぜ合わせてご飯にかけ冷ます。
  3. Aを沸騰させ冷ましておく。
  4. かつおはそぎ切りにし③に漬け込む(5~30分) 鮮度で漬け込み時間は調節する。
  5. 青じそは千切り、生姜も千切りにする。
  6. ①の寿司めしが生暖かいうちに④の付け汁をふりかけてから、かつおを加え青しそと生姜を散らして最後にのりとごまを散らす。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)

食材の背景

のり養殖は江戸後期から伊勢湾奥部で始まり、明治末期から大正にかけて拡大した。その後、養殖試験や技術普及により生産量が増加した。現在は黒のりや青のり(アオサ)養殖が盛んで、黒のりは冬季の基幹漁業である。

1食分の献立例

・手こね寿司
・菜花のお浸し
・南紀みかん
・伊勢茶

1食分の1人分栄養表示

熱量:606Kcal
たんぱく質:27.3g
脂質:5.9g
ナトリウム量(食塩相当量):2.5g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<菜花のお浸し>
菜花:100g
しょうゆ:3g
花かつお:1g
南紀みかん:100g

伊勢茶:浸出液150ml

滋賀 Shiga

シャモのじゅんじゅん Shamo no Junjun

料理の背景・いわれ

滋賀県の高級食材である近江シャモをすき焼き風に味付けをした鍋料理を「じゅんじゅん」という。近江シャモは脂肪分が少なく歯応えがある肉質である。鍋で煮る際に出る音が「じゅんじゅん」と聞こえたことに由来する。また、滋賀県の特産品である丁字麩や赤こんにゃくを一緒に煮込んでいる。丁字麩は四角い形でもちもちとした食感があり、なめらかな舌触りが特徴。赤こんにゃくは三二酸化鉄という鉄分で赤く染められている。

1人分栄養表示

熱量:255Kcal
たんぱく質:17.4g
脂質:11.4g
ナトリウム量(食塩相当量):1.0g

使用した持続可能な未来の食材

・まいたけ
・クレソン

材料名(1人分量g)★未来の食材

近江シャモ:80g
★まいたけ:25g
赤こんにゃく:60g
丁字麩:3g
白ねぎ:60g
★クレソン:5g
三つ葉:15g
鶏ガラ出し:30ml
砂糖:8g
濃口しょうゆ:6g
鶏脂:3.5g

料理の作り方

  1. シャモは食べやすい大きさに切り、多い脂身をとる。
  2. まいたけは小房に分ける。赤糸こんにゃくは7〜8cm長さに切る。丁字麩は水に戻し1/3に切り、水分をしぼる。三つ葉は3cmに切る。白ねぎは斜め薄切りにする。クレソンは3cmに切る。
  3. 鍋に鶏脂を入れて溶かす。
  4. 砂糖を入れてシャモを焼く。
  5. しょうゆを加えて、味付けをしてまいたけ、赤糸こんにゃく、丁字麩を入れて煮る。
  6. 三つ葉とクレソンを加えて仕上げる。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

四季折々の食材を使って食すため、クレソンやまいたけを使用して通年食することができる。盆や正月の時に牛肉や鶏肉(近江シャモ)を使用して食すことが多い。通年食すことができる工夫された料理である。

1食分の献立例

・黒豆ごはん
・しじみ汁
・シャモのじゅんじゅん
・湖魚の天ぷら

1食分の1人分栄養表示

熱量:747Kcal
たんぱく質:35.2g
脂質:24.9g
ナトリウム量(食塩相当量):2.1g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<黒豆ごはん>
米:70g
★黒豆:15g
梅干し:2g
酢:2g

<しじみ汁>
しじみ(殻付き):200g
みそ:5g
水:80ml

<湖魚の天ぷら>
小鮎:30g
★れんこん:10g
かぼちゃ:7g
青しそ:2g
水:10ml
小麦粉:10g
鶏卵:5g
食物油:7.5g
抹茶塩:0.1g

京都 Kyoto

京のばら寿司 Kyoto Barazushi

料理の背景・いわれ

「ばら寿司」さば缶を使った寿司は、丹後地方の一部で古くから伝わる全国でも珍しい寿司。丹後ではかつてさばがよく獲れ、浜焼きにして食べていた中で長く楽しむ工夫としておぼろにし、戦後まもなくさばの缶詰を使うようになった。甘辛くおぼろにし、数々の具と共に、まつぶたと呼ぶ長方形の木箱に段上に重ねて作り木べらで四角に切って取り分ける。祭り・祝い事等、人の集まりには各家々に伝わる味で必ず作ってもてなす。

1人分栄養表示

熱量:521Kcal
たんぱく質:16.6g
脂質:9.5g
ナトリウム量(食塩相当量):1.3g

使用した持続可能な未来の食材

・ササゲ
・ごぼう
・れんこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

精白米:90g
穀物酢:10g
砂糖:2.5g
食塩:0.3g
うま味調味料:0.3g
さば缶:40g
砂糖:3g
鶏卵:25g
植物油:2g
干ししいたけ:0.2g
★ごぼう:10g
にんじん:5g
かんぴょう:0.1g
濃口しょうゆ:2g
砂糖:1g
★れんこん:15g
穀物酢:2g
砂糖:1g
★ささげ:7g

料理の作り方

  1. 米を炊いて熱いうちに合わせ酢を混ぜる。少し冷ましておく。
  2. かんぴょうは水で戻す。かんぴょう・ごぼう・にんじんは細かく切る。
  3. 干ししいたけは水で戻して、千切りにして②と調味料とだし汁で炊く。
  4. 鯖缶を鍋に入れ、火を通しながら、身をほぐシ、水分が飛ばして砂糖を加え、おぼろを作る。
  5. フライパンに油を引いて、薄焼き卵を作り、錦糸卵にする。
  6. れんこんを薄切りにし、さっと湯がき、食紅で色を付けた合わせ酢につけ込む。
  7. ささげをさっと湯がき、斜めうす切にする。
  8. 寿司の型に①の酢飯を半分入れ、④の鯖缶のおぼろを敷き詰める。
  9. 残りの酢飯を入れて、③の飾用のしいたけ以外の具を乗せてから、錦糸卵、しいたけ、酢れんこん、ささげを乗せる。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

本来はまつぶたに寿司めしを敷き、その上に甘辛く煮付けた鯖のおぼろ、錦糸卵、紅生姜、赤蒲鉾、椎茸等を彩りよく盛り付けるが、塩分を控えるために紅生姜や赤蒲鉾を食紅で染めたれんこんに変え、ささげを散らした。

1食分の献立例

・京のばら寿司
・白みそ仕立て
・ほうれんそうと生ゆばのごま和え
・水尾のゆず釜
・紫キャベツとクルミのラペ
・水無月

1食分の1人分栄養表示

熱量:810Kcal
たんぱく質:26.8g
脂質:18.5g
ナトリウム量(食塩相当量):2.8g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<白みそ仕立て>
さといも:30g
金時にんじん:10g
★だいこん:10g
むすび昆布:1g
生麩:10g
かつおだし:80ml
白みそ(西京きそ):15g

<ほうれんそうと生ゆばのごま和え>
★ほうれんそう:40g
★えのきたけ:10g
★生湯葉:5g
★ごま:1g
減塩しょうゆ:2g

<水尾のゆず釜>
★だいこん:40g
★まいたけ:10g
ゆず皮:1g
ゆず果汁:10g

<紫キャベツとくるみのラぺ>
★紫キャベツ:15g
★アルファルファスプラウト:2g
★オレンジトマト:10g
★くるみ:3
★アマニオイル:5g
穀物酢:5g
昆布茶:0.3g
バナメイエビ:15g

<水無月>
薄力粉:10g
★甘納豆:10g
砂糖:7g

大阪 Osaka

串カツ Kushikatsu

料理の背景・いわれ

串カツは大正末期から昭和初期に、大きな食材を小さく切って「とんかつよりも食べやすいものを」と労働者たちの腹を満たすために、安価で腹が膨れ、時間をかけずに食べられるように、薄い牛肉を串に刺し、厚い衣をつけて揚げる串カツが考案された。簡単にたんぱく質と揚げ油からエネルギーがしっかり摂れるという、大阪人のせっかちで合理的な気質に合った料理のため、その後もさまざまな食材を使用する料理に発展した。

1人分栄養表示

熱量:297Kcal
たんぱく質:16.8g
脂質:14.6g
ナトリウム量(食塩相当量):0.7g

使用した持続可能な未来の食材

・オクラ
・オレンジトマト
・ごま

材料名(1人分量g)★未来の食材

犬鳴ポークもも:70g
★オクラ:10g
葉ねぎ:10g
こしょう:0.5
薄力粉:10g
鶏卵:5g
パン粉(乾燥):10g
とうもろこし油:9g
ウスターソース濃厚:6g
★いりごま:2g
練りからし:1g
ブロッコリー:15g
★オレンジトマト:30g

料理の作り方

  1. 豚肉にこしょうをふる。塊肉40gは手で叩き広げ、筋に包丁で切り込みを入れて、一口大に切る。
  2. 葉ねぎを豚肉の幅より少し長めに切りそろえ、薄切りの豚肉15gで巻く。
  3. オクラを②と同じように薄切りの豚肉15gで巻く。
  4. ①、②、③を串に通す。
  5. ④を薄力粉、溶き卵、パン粉の順に衣を付けて170℃くらいの油でカラッときつね色に揚げ、油を十分に切っておく。
  6. 皿に茹でたブロッコリーとオレンジトマトを彩りよく添えて盛り付ける。
  7. 濃厚ソースにすりごま、練り辛子を混ぜたものを串カツに塗る。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)

食材の背景

牛肉とじゃがいもを揚げたものから始まった串カツは、その後様々な食品を揚げるようになり、今回は大阪府泉佐野市の犬鳴ポークと未来の食材50からはオクラを使用した。オクラは夏野菜で、粘りの成分には胃腸を整えたり、夏バテを防止に役立ったりと評されている。

1食分の献立例

・ごはん
・串カツ
・鱧皮ザクザク
・ごより豆
・ごんぼ汁

1食分の1人分栄養表示

熱量:754Kcal
たんぱく質:38.8g
脂質:23.2g
ナトリウム量(食塩相当量):2.9g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<ごはん>
白米:60g
★雑穀(アマランサスを含む):5g

<鱧皮ザクザク>
毛馬きゅうり:50g
食塩:0.2g
米酢:15g
上白糖:7g
しょうがおろし汁:3g
薄口しょうゆ:1.2g
かつおだし:3g
鱧皮:10g
しょうが:1g

<ごより豆>
★蒸し大豆:40g
干しえび:3g
かたくちいわし煮干し:2g
上白糖:3g
濃口しょうゆ:2.5g
かつおだし:60ml

<ごんぼ汁>
鶏もも肉皮なし:10g
★ごぼう:10g
★だいこん:10g
にんじん:10g
★油揚げ:8g
★卯の花(おから):3g
葉ねぎ:5g
清酒:1g
濃口しょうゆ:3g
食塩:0.4g
かつおだし:150ml

兵庫 Hyogo

粕汁 Kasujiru

料理の背景・いわれ

粕汁に使用する「酒粕」は、日本酒生産の副産物として生成される。酒粕の歴史は古く、平安時代から魚や野菜を長期保存する粕漬けとして利用されてきた。また、酒粕は酵母のたんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれる滋養食品でもあり、さまざまな食材とも馴染むことから、現在も年中通じて家庭料理に活用されている。特に粕汁は冬を感じさせ、人気のある家庭料理である。

1人分栄養表示

熱量:77Kcal
たんぱく質:3.3g
脂質:1.2g
ナトリウム量(食塩相当量):0.3g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・れんこん
・だいこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

★油揚げ:5g
さといも:40g
★れんこん:10g
★だいこん:20g
にんじん:5g
青ねぎ:1g
こんにゃく:20g
酒粕:10g
みそ:4g
煮干し:2g

料理の作り方

  1. 煮干しでだしを取る。
  2. 野菜をカットする。だいこん、れんこん、さといもはイチョウ切り、にんじんは紅葉に型抜きをする。
  3. 油揚げは熱湯をくぐらせ一口大に切る、こんにゃくは切り込みを入れ2~3分下ゆでし、短冊に切る。
  4. 鮭は焼き、一口大程度にほぐす。
  5. ①に②③④を入れる。
  6. ⑤が一煮立ちいたら火からおろし、少量の出汁で酒粕を溶かし入れる。次にみそで味付けをする。
  7. 仕上げに小口にカットした青ネギを散らす

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)

食材の背景

兵庫県の神戸市から西宮市の地域は、「灘五郷」といわれ兵庫県内で最も日本酒の生産量の多い地域である。また、「灘五郷」と合わせて「伊丹」で生産する日本酒は令和2年日本遺産に認定された。

1食分の献立例

・さば寿司
・こけら寿司
・そばの巻き寿司
・黒豆ご飯
・そば飯
・お浸し
・野菜の天ぷら
・粕汁

1食分の1人分栄養表示

熱量:756Kcal
たんぱく質:28.2g
脂質:18.6g
ナトリウム量(食塩相当量):4.2g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<さば寿司>
しめさば:25g
精白米:20g
昆布:適宜
米酢:2g
砂糖:1g
食塩:0.1g

<こけら寿司>
精白米:20g
昆布:適宜
米酢:2g
砂糖:1g
食塩:0.1g
鯛刺身用:20g
砂糖:1g
みりん:1g
薄口しょうゆ:1g

<そばの巻き寿司>
★干しそば:20g
米酢:4g
砂糖:2g
食塩:2g
★海苔:4g
きゅうり:20g
鶏卵:15g
にんじん:10g

<黒豆ご飯>
精白米:20g
★黒豆:4g
梅干し:少々
酒:3g

<そば飯>
★枝豆:6g
焼きそば麺:20g
ご飯:20g
豚肉:10g
キャベツ:10g
紅生姜:0.5g
植物油:1g
とんかつソース:2g

<お浸し>
★ケール:30g
だし汁:10g
薄口しょうゆ:1g
★いりごま:0.1g
ゆず皮:0.5g

<野菜の天ぷら>
★オクラ:10g
★れんこん:20g
薄力粉:5g
片栗粉:5g
揚油:5g
★だいこん:10g

奈良 Nara

にゅうめん Nyumen

料理の背景・いわれ

そうめんは、一般的には夏に冷やしそうめんとして食べられている。しかし、奈良では昔からいろいろな料理にして年中食べられてきた。夏は冷たいそうめんで暑さをしのぎ、冬は温かい麺料理として食べられている。「にゅうめん」は煮麺のことで、その字の通りそうめんを温かく煮た料理。こしの強い三輪そうめんは、温かい「にゅうめん」にしても伸びにくく、美味しく食べられる。

1人分栄養表示

熱量:103Kcal
たんぱく質:4.5g
脂質:0.6g
ナトリウム量(食塩相当量):1.2g

使用した持続可能な未来の食材

・わかめ
・まいたけ

材料名(1人分量g)★未来の食材

三輪そうめん(ゆで):70g
湯葉(干し):1g
★まいたけ:10g
かまぼこ:10g
★わかめ(水戻し):3g
三つ葉:3g
だし(かつお):1.7g
だし(昆布):0.4g
料理酒:1.1g
薄口しょうゆ:2g
食塩:0.3g
水:180ml

料理の作り方

  1. だし昆布を水に浸し、30分程度置いておき、弱火で15分程度煮出す。昆布を取り出し、沸騰直前にかつお節を加え、弱火で5分程度煮て、かつお節を取り出す。
  2. 三輪そうめんは沸騰したたっぷりの湯にさばきながら入れ軽くまぜ、ゆで上がったら冷水でよくもみ洗いして、ザルにあけ水を切っておく。ゆばは硬くしぼった濡れ布巾に包んでしんなりさせ、1㎝幅に切る。まいたけは石づきがあれば取り、食べやすい大きさに切る。かまぼこは月に切る。わかめは水で戻し食べやすい大きさに切る。三つ葉は3㎝のざく切りにする。
  3. 出汁に調味料を入れ味付けをする。
  4. ゆば、まいたけ、かまぼこ、わかめを入れ煮る。
  5. 器にそうめんを入れる。
  6. ④に火が通ったら⑤に注ぎ、三つ葉を添える。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)

食材の背景

“日本の麺食文化のルーツは、大和の国三輪(奈良県桜井市)で約1300年前に生まれた手延べそうめんに至る。手延べ素麵は、伊勢参を介して、播州(兵庫県)、小豆島、島原へ伝わり、日本を代表する伝統食である。”

1食分の献立例

・古代米ごはん
・大和肉鶏の塩こうじ炒め
・大和まなと西吉野の柿の煮びたし
・なます
・にゅうめん
・古都華(いちご)

1食分の1人分栄養表示

熱量:714Kcal
たんぱく質:30.0g
脂質:15.2g
ナトリウム量(食塩相当量):2.6g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<古代米ごはん>
精白米:100g
黒米:3g
赤米:3g

<大和肉鶏の塩こうじ炒め>
大和肉鶏:90g
★ほうれんそう:15g
塩こうじ:5g
薄口しょうゆ:1g
こしょう:0.01g
こめ油:1g

<大和まなと西吉野の柿の煮びたし>
大和まな:30g
白菜:25g
柿:15g
薄口しょうゆ:1.5g
だし(かつお):0.8g
だし(昆布):0.2g
水:15ml

<なます>
★だいこん:40g
金時にんじん:10g
酢:2.5g
上白糖:2g
★すりごま:1g
ゆず(果皮):0.5g
食塩:0.1g

古都華(いちご):40g

和歌山 Wakayama

めはり寿司 Mehari-zushi

料理の背景・いわれ

「めはり寿司」は、漁業や林業が盛んな県南部地域で、簡単に食べられる弁当として広まった。塩で漬けた高菜を使った「めはりずし」は高菜で大きなおにぎりを包んだもので、この名前の由来には「目を見張るように口を開ける」「おにぎりに目張りをするように完全に包みこむから」等さまざまな説がある。ごはんは、白米のままや寿司飯等、地域によっては川でとれるしらうおを煮たものをごはんに混ぜ、高菜で包んでいた。

1人分栄養表示

熱量:363Kcal
たんぱく質:5.9g
脂質:2.1g
ナトリウム量(食塩相当量):1.4g

使用した持続可能な未来の食材

・ごま

材料名(1人分量g)★未来の食材

ごはん:200g
めはり用高菜漬け(市販品):30g
★ごま:3g
紀の川漬け(市販品):10g
金山寺みそ:5g

料理の作り方

  1. 「めはり高菜」は水洗いせず、軽く水気を絞って使用する。
  2. 高菜漬けを軸部分と葉部分に分け、軸部分を細かく刻む。
  3. ③の混ぜ込んだご飯を俵型に握り、②の高菜漬けの葉部分で包む。
  4. 紀の川漬け、金山寺みそとともに盛り付ける。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)

食材の背景

ごまは、弘法大師が、高野山に持ち帰り栽培したとされている。精進料理では良質なたんぱく質を含むごまを食べて栄養を補っていた。和歌山では、ごまはなじみの深い食材である。日常の食事にもよく使用している。

1食分の献立例

・めはりずし紀の川漬けと金山寺味噌、紀の川着け添え
・たちうおのしそ巻き紀州南高梅添え
・高野豆腐の煮物
・すろっぽ
・さつまいものみかん煮

1食分の1人分栄養表示

熱量:822Kcal
たんぱく質:29.4g
脂質:21.6g
ナトリウム量(食塩相当量):2.9g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<たちうおのしそ巻き紀州南高梅添え>
たちうお:90g
梅干し:3g
しそ:3g
レモン:10g

<高野豆腐の煮物>
★高野豆腐:30g
鶏もも脂身なし:20g
清酒:5g
うすいえんどう:10g
にんじん:20g
しいたけ:10g
薄口しょうゆ:3g
みりん:3g
砂糖:4g
かつおだし:75ml

<すろっぽ>
★だいこん:60g
にんじん:5g
★油揚げ:5g
しらす干し(半乾):4g
かつおだし:20ml
砂糖:6g
酢:10g

<さつまいものみかん煮>
さつまいも:40g
みかん:20g
砂糖:5g
レモン果汁:1g

鳥取 Tottori

どんどろけ飯 Dondoroke Rice

料理の背景・いわれ

由来は、豆腐を炒めるときの音が、パチパチとどんどろけ( 雷)の音に似ているため、中部地域でどんどろけ飯と呼ばれている。東部地域では豆腐飯と呼ばれ山菜を使って作られている。この料理は具材をあらかじめ油で炒めることで香ばしさが増し、素材のうま味がいっそう引き立ち、薄味でもおいしく食べられる。食物繊維が豊富で生活習慣病予防にもおすすめの1品である。

1人分栄養表示

熱量:545Kcal
たんぱく質:14.9g
脂質:14.2g
ナトリウム量(食塩相当量):1.0g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・まいたけ
・ごぼう
・れんこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

精白米:100
★木綿豆腐:70g
干しいたけ:2g
★まいたけ:15g
★れんこん:10g
しらたき:15g
★ごぼう:15g
にんじん:15g
★油揚げ:20g
なたね油:6g
酒:8g
薄口しょうゆ:6g
青ねぎ:10g

料理の作り方

  1. 米は洗っておく。豆腐は水気を切っておく。
  2. 干しいたけは水に浸けて戻してせん切りにしておく。糸こんにゃくはさっとゆでてざく切りにする。
  3. れんこんは皮をむいてせん切にして酢水に浸ける。ごぼうはささがきにして水にはなし、あく抜きをする。にんじんは細めのそぎ切り、青ねぎは小口切り、まいたけは小房にちぎる、油揚げは2㎝長さのせん切り、れんこんはせん切りにする。
  4. 鍋を熱して油を入れ、豆腐を1/4に切ってきつね色になるまで炒める。青ねぎ以外の材料を加えて軽く炒める。
  5. ④に酒と薄口しょうゆを加える。
  6. 洗った米と⑤を全部入れて混ぜ、だし汁(干しいたけの戻し汁)を加えて炊飯器で炊く。
  7. 炊きあがったご飯に小口切の青ねぎを混ぜる。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)

食材の背景

鳥取県では、昭和45年に0度以下でも凍らない食品温度領域を発見し、氷温熟成舞茸が誕生した。旨味成分が従来の2.1倍にアップし、伝統的食文化の重みを伝える世界へ広がる氷温食材である。

1食分の献立例

・どんどろけ飯
・みそ玉
・長芋と牛肉のおかか炒め
・らかん和え(煮なます)

1食分の1人分栄養表示

熱量:768Kcal
たんぱく質:23.5g
脂質:20.1g
ナトリウム量(食塩相当量):2.7g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<味噌玉>
★乾燥わかめ:2g
かつお節:1g
★油揚げ:5g
ねぎ:5g
生しいたけ:5g
にんじん:5g
米みそ:10g

<長芋と牛肉のおかか炒め>
長いも:50g
牛肉肩ロ-ス:15g
★ほうれんそう:30g
濃口しょうゆ:3g
みりん:3g
ごま油:2g
かつお節:2g

<らかん和え>
★だいこん:75g
にんじん:15g
こんぶ:2.5g
生しいたけ:10g
上白糖:12g
濃口しょうゆ:2.5g
米酢:12.5g

島根 Shimane

焼きさば寿司 Grilled mackerel sushi

料理の背景・いわれ

島根県の山間部に位置する雲南市の郷土料理。焼きさばと地元で採れるたけのこやしいたけ、山菜等を使って作るちらし寿司で、焼いたさばを入れるのが特徴である。焼きさばは、冷蔵技術や輸送手段がなかった明治時代以前に、日本海で獲れたさばを生のまま内陸へ運ぶには限界があったことから、山間地域に届けるため、雲南市で焼いたのが始まりで、厚みのあるさばにしっかり火が通るよう背開きにし、一本丸ごと串に刺して、炭火で焼くのが特徴である。

1人分栄養表示

熱量:608Kcal
たんぱく質:23.2g
脂質:13.6g
ナトリウム量(食塩相当量):1.5g

使用した持続可能な未来の食材

・のり
・大豆
・れんこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

うるち米:90g
もち米:10g
だし汁(昆布):135ml
米酢:20g
砂糖:3g
食塩:0.5g
焼き鯖:60g
干しいたけ:2g
かんぴょう:5g
にんじん:7g
★れんこん:10g
ぜんまい(水煮):5g
だし汁(鰹、昆布):40ml
砂糖:1g
みりん:2g
濃口しょうゆ:1g
赤板かまぼこ:10g
鶏卵:20g
調合油:0.5g
★焼きのり:0.3g

料理の作り方

  1. 米を洗い、だし昆布を入れて炊く。
  2. 合わせ酢の材料を鍋に入れ、砂糖が溶けるまで加熱する。炊き上がったご飯に合わせ酢をまわし入れ、しゃもじで切るように混ぜ、うちわであおぎ冷ましておく。
  3. 干ししいたけ、かんぴょうは戻して2cmの千切り、にんじんは2cmの細切り、れんこんは薄い輪切りにして酢水に入れ、ゆでて冷まして2cmの細切り、ぜんまいは2cmに切る。
  4. ③に煮汁を加え、煮付けておく。
  5. 赤板かまぼこを小さく切り、焼き鯖はほぐして骨を取り除く。
  6. 薄焼き卵を焼き、細長く切って錦糸卵にする。
  7. 寿司めしに具を入れ、混ぜ合わせる。
  8. 器に盛り付け、上に錦糸卵と焼きのりをかける。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)

食材の背景

島根県は日本海に面した本州最北西部に位置している。のりの多くは養殖で生産されるが、島根県では、日本海の季節風と冬の寒さで極上の天然のりが育つ。手摘みののりは貴重で、縁起物として正月の雑煮に入れられる。

1食分の献立例

・焼き鯖寿司
・しじみ汁
・隠岐あらめ炒め煮
・あすっこ胡麻和え
・果物

1食分の1人分栄養表示

熱量:757Kcal
たんぱく質:30.7g
脂質:19.6g
ナトリウム量(食塩相当量):2.8g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<しじみ汁>
しじみ:20g
水:100ml
料理酒:3g
薄口しょうゆ:3g
ねぎ:5g

<隠岐あらめ炒め煮>
隠岐あらめ:5g
にんじん:7g
★まいたけ:30g
★厚揚: 20g
調合油:2g
濃口しょうゆ:2g
みりん:2g
砂糖:1g
だし汁(鰹、昆布):30ml

<あすっこ胡麻和え>
あすっこ:50g
出西生姜:2g
★ごま:3g
濃口しょうゆ:1g
だし汁(鰹、昆布)3g

果物(いちご):50g

岡山 Okayama

まつり寿司 Matsuri Sushi

料理の背景・いわれ

まつり寿司は岡山を代表するハレの料理。備前岡山地方では祭りや祝い事、来客の接待等に作られる。江戸時代、岡山藩主であった池田光正公が、ぜいたくをしないように「庶民は一汁一菜にせよ」との節約令を出した。そこで庶民は、魚や野菜を寿司の具に使えば飯を食べるときのお菜ではなくなるという理屈で、たらい状の半切り桶の中に詰めたすし飯に、味をつけた野菜や魚介類を十種余りも入れて、かき混ぜて食べたのが由来といわれている。

1人分栄養表示

熱量:645Kcal
たんぱく質:25.2g
脂質:9.9g
ナトリウム量(食塩相当量):2.7g

使用した持続可能な未来の食材

・れんこん
・ごぼう

材料名(1人分量g)★未来の食材

精白米:100g
昆布:0.1g
酢:15g
砂糖:8g
食塩:1g
★ごぼう:12g
★れんこん:10g
かんぴょう:2g
にんじん:10g
砂糖:1g
食塩:0.1g
さわら:40g
食塩:0.5g
砂糖:3g
酢:5g
★れんこん:10g
砂糖:2g
食塩:0.1g
酢:5g
干しいたけうま煮:3g
砂糖:1.5g
みりん:1g
しょうゆ:1.5g
えび:30g
穴子:30g
砂糖:1g
しょうゆ:1g
みりん:1g
酒:1g
さやえんどう:10g
卵(錦糸卵):25g
砂糖:2g
食塩:0.1g
油:1g
さんしょう:1g

料理の作り方

  1. さわらに塩をして1時間ほど置いて酢じめにして一晩おく。翌日砂糖を加える。
  2. 米を炊飯する。
  3. ごぼうはささがき、れんこんはいちょう切り、かんぴょうは洗って水につけて戻したものを絞り1cmに切る。だしでごぼう、れんこん、かんぴょうを煮て少し時間をおいて千切りにしたにんじんを加える。
  4. 薄切りにしたれんこんをゆで、砂糖、酢、塩で酢れんこんにする。干しいたけは戻し汁と一緒に甘辛く煮る。えびの背ワタを取ってゆで、尾を残して殻を剝いておく。溶き卵に砂糖、塩を加え、薄焼き卵にして錦糸卵にする。穴子は焼いてさらにたれをつけて焼き、そぎ切りにする。さやえんどうはすじを取ってゆでておく。
  5. 炊きあがった飯に合わせ酢をして切るように混ぜて冷ます。
  6. 荒熱のとれたすし飯に煮たごぼう、れんこん、にんじん、かんぴょうを混ぜる。
  7. 皿にすし飯を盛りつけ錦糸卵、さわらの酢魚、穴子、えび、しいたけ、さやえんどう、酢れんこん、さんしょうを盛り付ける。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

瀬戸内のサワラやアナゴの他にモガイ、エビなどの魚介類や、干し椎茸の甘煮、レンコンやゴボウを入れる。春のフキやたけのこ、秋にはマツタケなど、時季によって入れる具材はさまざまでお祭りに欠かせない。

1食分の献立例

・まつり寿司
・まいたけの吸い物
・果物(シャインマスカット)

1食分の1人分栄養表示

熱量:709Kcal
たんぱく質:26.8g
脂質:10.5g
ナトリウム量(食塩相当量):2.9g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<まいたけの吸い物>
★まいたけ:10g
★絹豆腐:20g
三つ葉:5g
だし:130ml
しょうゆ:1.5g
果物(シャインマスカット)80g

広島 Hiroshima

かき飯 Oyster Rice

料理の背景・いわれ

かきの養殖が盛んな江田島市周辺で作られるようになった。かきのうま味をふんだんに楽しめる炊き込みご飯。広島のかき食の歴史は長く、古くは縄文・弥生時代から天然のかきを食べていたことが、貝塚から出土した殻により分かっている。かきは海のミルクといわれるくらい、栄養がたっぷり含まれている。今に継承され、一般の家庭で作られたり、学校給食や地元の飲食店等でも提供されている。駅弁としても全国的に人気がある。

1人分栄養表示

熱量:354Kcal
たんぱく質:8.7g
脂質:3.2g
ナトリウム量(食塩相当量):1.4g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・まいたけ

材料名(1人分量g)★未来の食材

精白米:80g
かき(養殖生):50g
酒:5g
★まいたけ:20g
にんじん:15g
★油揚げ:6g
昆布だし:100ml
三つ葉:1g
酒:7.5g
薄口しょうゆ:3g
食塩:0.3g

料理の作り方

  1. 米は洗って30分程度水に浸し、ざるにあげる。
  2. かきは塩水で洗い、ざるに取って水気をきる。小なべにかきを入れて酒を振りかけサッといりつけ、表面がコロンとなったらざるに取る。煮汁はとっておく。
  3. まいたけは手でほぐし、にんじんはせん切りにする。油揚げは湯をかけて短冊切りにする。
  4. 炊飯器に米を入れ、だし汁と残りの調味料と②の煮汁と③を加えて普通に炊く。炊きあがったらかきを入れて10分間蒸らし、切るようにサックリと混ぜる。
  5. 器に盛ってみつばをのせる。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)

食材の背景

広島県のかきの水揚げは全国の6割を占める。波が静かでありながら潮の流れが適度にあることや、中国山地から流れ込む栄養素など、かきの成育に良い条件が揃っており、かきは身が大きく濃厚な味わいが特徴である。

1食分の献立例

・かき飯
・のり汁
・天ぷら
・ちしゃの酢味噌和え

1食分の1人分栄養表示

熱量:738Kcal
たんぱく質:24.7g
脂質:23.3g
ナトリウム量(食塩相当量):2.9g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<のり汁>
★干海苔:2g
★木綿豆腐:30g
豚ばらスライス:7g
ねぎ:3g
煮干しだし:150ml
濃口しょうゆ:4g
酒:4g
食塩:0.2g

<天ぷら>
えび:20g
真鯛:30g
★れんこん:25g
かぼちゃ:35g
ピーマン: 15g
薄力粉:20g
鶏卵:8g
揚げ油: 14g

<ちしゃの酢味噌和え>
ちしゃ(サニーレタス):20g
白みそ:3g
砂糖:2.3g
穀物酢:4.5g

山口 Yamaguchi

大平汁 Oohira-jiru

料理の背景・いわれ

平たく大きな蓋つきの塗り椀” 大平”に入れ食卓に提供することから「大平汁」と呼ばれる。椀の大きさが直径50cm程の大平に盛ったものは小皿に取り分けて振舞われる風習がある。さまざまな食材を使用した、根菜と鶏肉のだしがきいた煮物だが、うすい味付けのため汁ごと食べることが多い。祝い事には欠かせない料理の1つであるが、家庭料理や学校給食にも取り入れられている。今後も少しの変化を加えながら伝承していきたい。

1人分栄養表示

熱量:183Kcal
たんぱく質:9.3g
脂質:9.2g
ナトリウム量(食塩相当量):1.3g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・だいこん
・まいたけ
・ごぼう
・れんこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

★れんこん:20g
★生揚げ:20g
★だいこん:20g
★まいたけ:10g
★ごぼう:20g
にんじん:20g
鶏もも肉(皮付):30g
かつおだし:150ml
上白糖:1g
薄口しょうゆ:6g
塩こうじ:2g
料理酒:5g
みりん:5g
サラダ油:3g
はなっこリー:20g

料理の作り方

  1. れんこん、にんじん、だいこんは一口サイズのいちょう切り、ごぼうは小さめの乱切り、生揚げ(正方形)は8等分に切る、まいたけは食べやすい大きさに分ける、鶏もも肉は一口小のぶつ切る。
  2. 鍋にサラダ油を熱っしたら鶏肉を炒め、火が通ったらそれ以外の具を加えて炒める。
  3. 具材がかぶる程度のだし汁(かつお)を加え、アクを取りながら柔らかくなるまで煮る。
  4. 砂糖、しょうゆ、料理酒、みりんを加え味をなじませる。
  5. 出来上がりの少し前に塩こうじを加え味を整える。
  6. はなっこリーは5cmの長さに切り、サッと茹でて水で冷やし、水気をしぼっておく。
  7. 器に盛り付け、はなっこリーを添える。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

山口県は多様な農産物の産地である。れんこん、ごぼう、にんじん、さといも、しいたけに鶏肉や厚揚げなど様々な具材を使用する。中でも根菜類は、地元で時期の食材を積極的に取り入れるなどして、栄養面でも優れた煮物となっている。

1食分の献立例

・わかめご飯
・大平汁
・ふぐの唐揚げ
・やまぐち未来サラダ
・さつま芋の甘酒煮

1食分の1人分栄養表示

熱量:695Kcal
たんぱく質:31.2g
脂質:24.3g
ナトリウム量(食塩相当量):2.9g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<わかめごはん>
精白米:50g
しそわかめ(市販品):2g
★白いりごま:0.5g

<フグの唐揚げ>
まふぐ:70g
食塩:0.5g
こしょう:0.01g
米粉:3g
★れんこん:20g
揚げ油:10g
(付け合わせ)
★オレンヂトマト:30g
だいだい:20g
ブロッコリースプラウト:3g
大葉:0.5g

<やまぐち未来サラダ>
★スプラウトアルファルファ:15g
★糸引納豆:30g
しらす干し:4g
ごま油:1g
濃口しょうゆ:1g
レモン果汁:1.5g
ベリーリーフ:5g
★キヌア:5g
納豆添付のたれ:2g

<さつま芋の甘酒煮>
さつまいも:30g
水:適量
甘酒:20g
★黒ごま:0.5g

徳島 Tokushima

そば米雑炊 Soba Rice Porridge

料理の背景・いわれ

だし汁に季節の野菜(にんじん・しいたけ・だいこん・こんにゃく・鶏肉・ねぎ)を食材として使い、ゆでたそば米を入れて煮ると具材のうまみが出て淡白なそば米とよくあう。また、そば米はだしを吸ってぱんぱんにふくらんでいるが、米のようにとろけたりはしていない。汁にも粘りが出ていないので、さらさらとしている。徳島の郷土料理として学校給食に取り入れられている。

1人分栄養表示

熱量:138Kcal
たんぱく質:5.8g
脂質:1.5g
ナトリウム量(食塩相当量):1.3g

使用した持続可能な未来の食材

・そば
・だいこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

★そば米:25g
若鶏もも皮なし:20g
乾しいたけ:2g
★だいこん:30g
にんじん:10g
葉ねぎ(青ねぎ):3g
板こんにゃく:15g
煮干しだし:150ml
薄口しょうゆ:6g
料理酒:5g
みりん:3g

料理の作り方

  1. そば米は水洗いし、たっぷりの水(そば米の8倍の水)で15分程度ゆで、水洗いしてざるに上げておく。
  2. 煮干しは頭とはらわたをとって前日より分量の水につけておく。沸騰後3~4分したらとり出す。
    乾ししいたけはぬるま湯につけもどし、細切りにする。もどし汁も鍋に入れる。
  3. 鶏もも肉は皮を除き、1㎝角に切り、料理酒をふりかけもんでおく。
  4. だいこん、にんじんはいちょう切り、こんにゃくは2㎝に短冊切りにして、塩もみをして洗う。青ねぎは小口切りにする。
  5. だし汁に鶏もも肉、にんじん、だいこん、こんにゃく、乾しいたけを入れ煮る。
  6. 薄口しょうゆで味をつけ、最後にゆでたそば米を入れ青ネギをあしらう。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)

食材の背景

そばは、米がとれなかった山間部、祖谷地方では栽培期間が75日程度と短いそばを栽培し米の代わりに食べられてきた。そば米とは、そばを塩ゆでして殻をむき乾燥させたもの。挽けばそばの材料のそば粉になる。

1食分の献立例

・赤飯
・そば米雑炊
・鮎塩焼
・なら和え
・温野菜サラダ

1食分の1人分栄養表示

熱量:732Kcal
たんぱく質:25.5g
脂質:22.2g
ナトリウム量(食塩相当量):2.8g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<赤飯>
精白米(うるち米):65g
[07]ささげ :8g
[40] くるみ(炒り):2g

<鮎塩焼>
鮎(天然):65g
メタデ芽ばえ:1g
食塩:0.7g
米酢:3g

<なら和え>
[43]だいこん:45g
にんじん:8g
[47]れんこん:8g
板こんにゃく:15g
乾しいたけ:2g
[11]油揚げ:3g
ゆず果汁:3g
上白糖:3.5g
薄口しょくゆ(低塩):2g
米酢:3g
[39]炒りすりごま:3g

<温野菜サラダ>
玉ねぎ:10g
ミニトマト(赤):15g
リーフレタス:15g
[02]塩蔵ワカメ(塩抜き):20g
ひよこまめ(ゆで):10g
オリーブ油:15g
食塩:0.3g
からし(練):1g
やまのいも類だいじょ塊根:45g
ブロッコリー:3g

香川 Kagawa

いりこめし Iriko Meshi

料理の背景・いわれ

瀬戸内で獲れた上質ないりこ( 煮干し)と季節の野菜を炊き込んだごはんで、いりこをだしとしてだけでなく、丸ごと味わえる料理である。いわし漁で忙しい時期には、ごはんとおかずが一緒になったいりこ飯が重宝され、日常食として親しまれてきた。具材に決まりはなく、その季節の野菜を加えることで旬の味を楽しめる。肉や魚がなくても手軽にできるごはんで、現在も一般家庭はもちろん、学校給食にも取り入れられている。

1人分栄養表示

熱量:304Kcal
たんぱく質:10.1g
脂質:3.1g
ナトリウム量(食塩相当量):0.8g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・キヌア
・ごぼう

材料名(1人分量g)★未来の食材

精白米:65g
水:104ml
いりこ(かたくちいわし煮干し):7g
濃口しょうゆ:3g
みりん:2g
金時にんじん:14g
★ごぼう:14g
こんにゃく:10g
★油揚げ:6g
★むき枝豆(冷凍):5g
★キヌア(玄穀):3g
水:6ml

料理の作り方

  1. いりこ(かたくちいわし煮干し)は、腹と頭を取り除き、身を割る。6cmほどの小さいいりこは、そのまま使用する。
  2. 米は洗って、水に30分ほど浸したあと、①を加える。
  3. キヌアに対して2倍量の水とキヌアを鍋に入れ沸騰させ、水分が少なくなってきたら火を止め蓋をして10分程度蒸らす。
  4. 金時にんじんは 2cm程の短冊切り、ごぼうはささがき後、水にさらす、こんにゃくは下ゆでした後2cm程の短冊切り、油揚げは油抜きをした後2cm程の短冊切り、むき枝豆は下ゆでした後、薄皮をむく。
  5. ②に、濃口しょうゆ、みりんを加え④で準備したむき枝豆以外の食材をのせて炊く。
  6. いりこめしが炊きあがったら、蒸らした③とむき枝豆を入れて混ぜる。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

香川県産いりこは、漁場と加工場が近く、網元が漁獲から加工まで一貫して生産するため、新鮮で高品質ないりこになる。こうして作られたいりこは、うどんの出汁はもちろん、香川の和食に欠かせない食材となっている。

1食分の献立例

・いりこめし
・しょうゆ豆と酒かすの白和え
・小えびとそら豆のかき揚げ
・ふしめん汁
・うずまきもち

1食分の1人分栄養表示

熱量:806Kcal
たんぱく質:27.0g
脂質:24.7g
ナトリウム量(食塩相当量):2.3g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<しょうゆ豆と酒かすの白和え>
[11]ソフト豆腐:30g
[47]れんこん:15g
[34]えのきたけ:10g
[32]ほうれんそう:35g
しょうゆ豆:10g
かつお・昆布だし:10g
水:20g
[39]白ごま:1g
白みそ:5g
酒粕:7g
上白糖:1.6g
食塩:0.1g

<小えびとそら豆のかき揚げ>
しばえび:20g
[05]そら豆:20g
たまねぎ:30g
鶏卵:5g
小麦粉:15g
水:7g
なたね油:19g
レモン:10g

<ふしめん汁>
ふしめん:7g
上てんぷら:7g
[43] だいこん:20g
金時にんじん:10g
[02]乾燥わかめ:0.8g
葉ねぎ:5g
薄口しょうゆ:2g
かつお・昆布だし:173ml

<うずまきもち>
[03]こしあん:25g
小麦粉:2.5g
上新粉:12.5g
水:10ml

愛媛 Ehime

いぎす豆腐 Igisu tofu

料理の背景・いわれ

「いぎす」は、潮流のおだやかな海域の岩などに生えている紅藻の一種で、瀬戸内海沿岸で7・8月にたくさんとれる。「いぎす豆腐」はいぎす草と生大豆粉をだし汁で煮溶かし、地元で取れたエビや野菜を入れて寒天のように冷やし固めた地方の夏を代表する郷土料理である。ひんやりツルンとした舌ざわりで暑い夏にも食べやすく、お盆や法事のごちそうとして親しまれてきた。

1人分栄養表示

熱量:103Kcal
たんぱく質:8.8g
脂質:2.7g
ナトリウム量(食塩相当量):1.1g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆

材料名(1人分量g)★未来の食材

いぎす草(エゴノリ素干し):3g
★生大豆粉:10g
エビ(殻付き):25g
キクラゲ(乾):1g
★枝まめ:10g
生しいたけ:5g
薄口しょうゆ:2g
食塩:0.1g
みりん:1g
エビゆで汁:100ml
白みそ:5g
砂糖:2.5g
米酢:2.5g

料理の作り方

  1. いぎす草はほぐして洗い、水に戻す。(※いぎすは寒天でも代用できる。)
  2. エビはゆでて皮をむき、飾り用を以外をみじん切りにする。(ゆで汁をだし汁に使う)
  3. 枝まめはゆでてさやから出し、飾り用と分けておく。
  4. 生しいたけは千切り、キクラゲは水に戻して千切りにし、下ゆでする。
  5. 生大豆粉は適量のだし汁(エビのゆで汁)で溶いておく。(生大豆粉を溶いておくとダマにならない)
  6. ①を絞り、鍋に残りのだし汁(エビのゆで汁)とともに入れ、中火でゆっくりと煮溶かす。
  7. 沸騰させてあくをとりながら、②の飾り用以外のエビと④を入れる。
  8. ⑤をゆっくりと入れ、しょうゆ、食塩、みりんを入れて練り混ぜ、火を止める。流し箱に入れて冷やし固める。
  9. 白みそ、砂糖、酢を混ぜ合わせ、酢みそを作る。⑧を切り分け、酢みそをかける。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

いぎすに生大豆粉を加えて煮溶かすことで、繊維を溶かして舌ざわりの良い食感に固まる。海と里の恵みを生かした食材を使用しており、タンパク質、食物繊維、ミネラルが豊富で長寿食として古くから食されている。

1食分の献立例

・ご飯
・いもたき
・いぎす豆腐
・ほうれん草ソテー
・茄子即席漬け
・フルーツ(紅まどんな)

1食分の1人分栄養表示

熱量:747Kcal
たんぱく質:30.7g
脂質:18.3g
ナトリウム量(食塩相当量):2.9g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<ご飯>
精白米:200g

<いもたき>
里芋:40g
鶏もも皮つき:80g
板こんにゃく:50g
★ごぼう:40g
にんじん:30g
★生揚げ:5g
葉ねぎ:15g
だし汁:150ml
酒:12g
濃口しょうゆ:3g
薄口しょうゆ:4g
みりん:7g
砂糖:0.7g

<ほうれんそうソテー>
★ほうれんそう:60g
しめじ:10g
バター:5g
こしょう:少々
なす即席漬け
なす:10g
生姜:0.25g
食塩:0.2g
濃口しょうゆ:0.2g

<フルーツ>
紅まどんな:40g

高知 Kouchi

きびなごのほおかぶり Kibinago no Hokaburi

料理の背景・いわれ

高知県にはさまざまな郷土寿司がある。その中には、米の代わりにおからを用い、酢漬けしたイワシをのせた握り寿司「たま寿司」(高知ではおからを「おたま」と呼ぶ)も古くから食べられてきた。「きびなごのほおかぶり」は、たま寿司の一種で、体長10㎝ほどの小さなキビナゴを背開きにしておからに巻いた形がほっかむりをした人の頭に見えることから、その名がついたとされる。かつてJALの機内食にも採用された郷土寿司である。

1人分栄養表示

熱量:116Kcal
たんぱく質:3.7g
脂質:6.8g
ナトリウム量(食塩相当量):0.9g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆

材料名(1人分量g)★未来の食材

きびなご:16g
酢:20g
砂糖:0.6g
食塩:0.4g
生姜:0.6g
薄口しょうゆ:0.1g
★おから:8g
鯖:3g
生姜:4g
砂糖:6g
酢:6g
食塩:0.4g
薄口しょうゆ:0.16g
★豆乳:8g
サラダ油:6g

料理の作り方

  1. きびなごは調理ばさみを使って頭を取り、手で原開きにする。塩水で洗い、水気を切る。
  2. 鯖は焼いて身をほぐしておく。
  3. 生姜はみじん切りにする。
  4. 鍋に油を入れて熱し、みじん切りにした生姜を炒め、鯖、おから、調味料、豆乳を入れて炒める。バットに入れて冷ます。
  5. おからが冷めたら、20g位に分け丸く形成する。
  6. 開いたきびなごを合わせ酢に30秒ほど漬け込む。
  7. 酢水から上げたきびなごを丸めたおからにくるりと巻き、盛り付ける。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)

食材の背景

かつて、豆腐のように手間をかけた食材はご馳走であった。そして、その副産物であるおからも大切に食べられてきた。貴重な米の代わりにおからを利用し、寿司として食したのは昔の人の知恵でもある。

1食分の献立例

・ご飯
・かつおのたたき
・きびなごのほうかぶり
・ほうれんそうのお浸し
・ぐるに

1食分の1人分栄養表示

熱量:612Kcal
たんぱく質:25.4g
脂質:13.6g
ナトリウム量(食塩相当量):2.0g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<ご飯>
精白米:85g

<かつおのたたき>
かつお :60g
たまねぎ:10g
青ねぎ:1g
みょうが:1g
にんにく:2g
柚子酢:3g
濃口しょうゆ:3g
砂糖:1g

<ほうれんそうのお浸し>
★ほうれんそう:60g
★ごま:2g
濃口しょうゆ:2g
砂糖:1g
だし汁:5g

<ぐるに>
★だいこん:50g
里芋:20g
にんじん:15g
★ごぼう:15g
こんにゃく:25g
★厚揚げ:20g
だし汁:60ml
薄口しょうゆ:1.5g
砂糖:2g

福岡 Fukuoka

博多水炊き Hakata Mizutaki

料理の背景・いわれ

骨付きの鶏肉を煮たスープの中に、旬の食材を加えてポン酢で食べる鍋料理。鍋料理ですが、寒い冬はもちろんのこと、旬の食材を加えることで一年を通して食すことができる。一鍋でさまざまな食材がとれる他、家族や仲間と団欒を楽しむことができることや、材料の調達や調理、後片付け等が手軽なことから、福岡では家庭ごとのアレンジや料理店での進化を遂げながら広く愛されている。

1人分栄養表示

熱量:388Kcal
たんぱく質:28.8g
脂質:19.8g
ナトリウム量(食塩相当量):2.7g

使用した持続可能な未来の食材

・のり
・わかめ
・大豆
・クレソン
・えのきたけ
・まいたけ
・ごま
・だいこん
・れんこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

水:300ml
鶏骨付きもも肉:80g
酒:2.5g
食塩:1g
鶏ひき肉:60g
★れんこん:30g
にんじん:5g
根深ねぎ:10g
食塩:0.1g
片栗粉:3g
★えのきたけ:20g
★まいたけ:20g
★わかめ:15g
★だいこん:45g
にんじん:22.5g
根深ねぎ:30g
★クレソン:35g
★絹ごし豆腐:70g
ポン酢:20g
こねぎ:0.5g
★いりごま:0.25g
ゆずこしょう:0.3g

料理の作り方

  1. 分量の水と酒、食塩を土鍋に入れ、鶏骨付きもも肉を入れたら、弱火にかける。
  2. 鶏ひき肉にみじん切りにしたれんこん、にんじん、根深ねぎ、食塩、片栗粉を加え、練り合わせ、団子にしたら、沸騰した①に加える。
  3. 鍋の具材をお好みの大きさに切り、鍋に入れる。
  4. 具材に火が通るまで、加熱する。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

福岡県は海や山などの自然に恵まれ、農業や漁業、畜産業なども盛んなため、様々な鮮度の高い食材を手に入れることができる。そのため、水炊きのような食材の味を生かした料理を年中食すことができる。

1食分の献立例

・博多水炊き
・しめの雑炊
・デザート

1食分の1人分栄養表示

熱量:629Kcal
たんぱく質:34.5g
脂質:22.4g
ナトリウム量(食塩相当量):2.8g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<しめの雑炊>
ご飯:120g
卵:25g
★きざみのり:0.025

<デザート>
あまおう:60g

佐賀 Saga

冬瓜汁 Winter melon soup

料理の背景・いわれ

地域で大切に育てられた食材を生かした郷土の献立であり、地産地消の取り組みにつながる料理である。冬瓜は九州では広く栽培されており、栽培が容易であることから家庭の菜園からも生み出される野菜で、煮物や汁物として豊かな食卓を支えている。九州北部の玄界灘から届く魚介類を生かしたかまぼこも地域食材として大切にされ食卓に上がる。暑い夏のみならず健やかに過ごしたいとする思いが冬瓜汁に姿を変え、次世代に届き伝えられる。

1人分栄養表示

熱量:41Kcal
たんぱく質:2.2g
脂質:0.6g
ナトリウム量(食塩相当量):1.1g

使用した持続可能な未来の食材

・オクラ
・ごま

材料名(1人分量g)★未来の食材

冬瓜:100g
★オクラ:20g
かまぼこ:10g
だし汁:150ml
★ごま:0.7g
薄口しょうゆ:3g
酒:3g
食塩:0.2g

料理の作り方

  1. 冬瓜は種をくりぬき、皮をむき、さいの目切とする。
  2. オクラは、へたを切り取り輪切りにする。
  3. かまぼこは、短冊切りとする。
  4. 出汁と冬瓜を合わせ加熱し、火を通す。
  5. おくらとかまぼこを加え、火を通し調味する。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

暑い夏のみならず提供される冬瓜汁である。6月頃出荷が始まる冬瓜と夏野菜として大切にされるオクラの汁である。冬瓜は翡翠のように美しく、涼を感じ、輪切りにしたオクラは、夏の七夕の星々を想起させる。

1食分の献立例

・アマランサスご飯
・豚角煮
・鰻かば焼き
・冬瓜汁
・ずんだもち

1食分の1人分栄養表示

熱量:640Kcal
たんぱく質:30.3g
脂質:11.8g
ナトリウム量(食塩相当量):2.8g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<アマランサスご飯>
精白米:70g
★アマランサス:4g

<豚角煮>
豚かた肉:60g
干ししいたけ:2g
きぬさやえんどう:3g
しょうが:1g
野菜昆布:2g
酒:6g
しょうゆ:3g
砂糖:4g
じゃがいもでんぷん:0.2g

<鰻かば焼き>
鰻かば焼き:30g
★干しわかめ:2g
きゅうり:40g
しょうが:3g
酢:7g
砂糖:2g
薄口しょうゆ:2g

<ずんだもち>
くずでんぷん:15g
水:75ml
★大豆枝豆:30g
砂糖:9g
牛乳:8g

長崎 Nagasaki

ゆで干しだいこんの
すりみ揚げ
Boiled and dried daikon radish surimi fritters

料理の背景・いわれ

ゆでただいこんを干し、食感が柔らかく風味豊かな保存食の「ゆで干しだいこん」と長崎県が漁獲高全国トップを誇るあじをすり身にして、炊き合わせた料理。長崎では、日常的に食べられているすり身揚げに、美味しさと風味のあるゆで干しだいこんを加えて作ったアレンジ郷土料理である。

1人分栄養表示

熱量:163Kcal
たんぱく質:9.8g
脂質:8.2g
ナトリウム量(食塩相当量):0.6g

使用した持続可能な未来の食材

・オクラ
・だいこん

材料名(1人分量g)★未来の食材

★切干しだいこん:7.5g
さやいんげん:7.5g
あじ すり身:50g
にんじん:5g
鶏卵:12.5g
こねぎ:5g
食塩:0.1g
薄口しょうゆ:0.5g
植物油:7g
レタス:10g
★オクラ:10g
トマト:30g
レモン:5g

料理の作り方

  1. ゆで干しだいこんを10~15分くらい水に浸し、絞ってみじん切りにする。
  2. いんげんは下ゆでをして斜め切り、にんじんは千切り、こねぎは小口切りにする。
  3. すり鉢にあじすり身と卵を入れよくすり混ぜる。
  4. ①と②を加えて混ぜ、直径4センチくらいに丸めて170℃くらいの油で揚げる。
  5. すり身が浮き上がってきつね色になったら出来上がり。付け合わせに、ゆでたオクラ、レタス、トマト、レモンを添える。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)

食材の背景

「ゆでぼしだいこん」はゆでただいこんを干した食感が柔らかく、風味豊かな保存食である。ゆでても煮崩れしにくい加工専用の「大栄大蔵だいこん」を使用している。長崎県西海市は特有の季節風と日光を利用した、全国一の生産地でである。

1食分の献立例

・雑穀ごはん
・ゆでぼしだいこんのすりみ揚げ
・さつまいもとれんこんのごまみそ和え
・豆乳みそ汁

1食分の1人分栄養表示

熱量:648Kcal
たんぱく質:20.7g
脂質:15.9g
ナトリウム量(食塩相当量):2.5g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<雑穀ごはん>
精白米:75g
★アマランサス:7.5g

<さつまいもとれんこんのごまみそ和え>
さつまいも:40g
★れんこん:20g
さやいんげん:5g
★ねりごま:8g
砂糖:1.5g
米みそ:5g
薄口しょうゆ:3g

<豆乳みそ汁>
★ごぼう:10g
にんじん:10g
さといも:20g
★えのきたけ:20g
こねぎ:2.5g
かつおだし:100ml
麦みそ:9g
★豆乳:50ml

熊本 Kumamoto

南関揚げ巻き寿司 Nankan Age Maki Sushi

料理の背景・いわれ

「南関揚げ巻き寿司」は、油抜きした南関揚げをだし、しょうゆ、砂糖等で甘辛く煮たものをのりの代わりに使う。煮汁をしぼってから開き、巻きすにのせたら寿司飯を広げ、しいたけやにんじん、卵焼き等の巻き寿司の具材を巻いて作る。のりくらいに大きな南関揚げは、熊本県の中でも、南関町だけで製造されている。祝い事には欠かせない料理となっている。独特の南関揚げで作った巻き寿司は、次世代に残したい料理である。

1人分栄養表示

熱量:436Kcal
たんぱく質:11.1g
脂質:6.9g
ナトリウム量(食塩相当量):0.8g

使用した持続可能な未来の食材

・のり
・ほうれんそう

材料名(1人分量g)★未来の食材

精白米:80g
酢:10g
砂糖:8g
食塩:0.1g
南関あげ(大判):1/2枚
★のり:1/2枚
干しいたけ:1g
だし昆布:2g
かんぴょう:5g
にんじん:20g
★ほうれんそう:10g
砂糖:1g
しょうゆ:2.5g
酒:2g
みりん:2g
鶏卵:30g
砂糖:1
食塩:0.1
油:1g

料理の作り方

  1. 南関あげは、底の広い鍋に入れ、熱湯でしばらく油抜きをする。
  2. 昆布でだしをとる椎茸は水で戻す。にんじんは、1cm角の棒状に切る。ごはんを炊いておく。
  3. かんぴょうは、塩もみををして、柔らかくなるまでゆでる。
  4. 鍋に①の調味料とだしを入れ、③のかんぴょうと椎茸、にんじんを入れて、落し蓋をして煮る。
    柔らかく煮えたら、取り出し、①のあげを入れて煮含める。
  5. 卵は溶きほぐして砂糖、塩で調味し、厚焼き卵を作っておく。1cm角の棒状に切る。
  6. ほうれんそうは固めにゆでて、水にとおし、そろえて水気を絞る。
  7. 炊きあがったご飯に、合わせ酢を混ぜ合わせ、すし飯を作る。
  8. 巻きすに片方海苔を置き、すし飯を半分広げ、用意した具の汁気を切って普通に巻く。
  9. さらに汁気を切った南関あげを巻きすに広げ、残りのすし飯を広げ、⑧を巻く。
  10. しばらく置いてなじんだら、好みの大きさに切る。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 自然の美しさや季節の移ろいを楽しむ(和食の多様性)
  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

南関揚げは、伊予の国から伝わったと言われている。普通の油揚げに比べ、豆腐を薄くなるまで圧縮して、油で二度揚げをするため、日持ちがよく常温でも2~3カ月保存できる。もちもちした食感が特徴である。

1食分の献立例

・南関あげ巻き寿司
・アオサ汁
・きびなごのぷす焼き
・からしれんこん
・一文字のぐるぐる
・冷製トマトの煮浸し
・いきなりだんご

1食分の1人分栄養表示

熱量:672Kcal
たんぱく質:18.2g
脂質:9.4g
ナトリウム量(食塩相当量):2.8g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<アオサ汁>
アオサ:0.5g
★えのきたけ:10g
こねぎ:3g
かつお節:2g
だし昆布:2g
水:150ml
淡口しょうゆ:3g
食塩:0.3g

<きびなごのぷす焼き>
きびなご:30g
七味唐辛子:0.03

<からしれんこん>
[47]れんこん:20g
みそ:4g
粉からし:0.1
小麦粉:4g
ウコン:少々
揚げ油:2g

<一文字のぐるぐる>
一文字:20g
白みそ:3g
酢:2g
砂糖:1g
みりん:1g

<冷製トマトの煮浸し>
ミニトマト(大):30g
青しそ:1g
だし汁:5ml
淡口しょうゆ:1g
みりん:0.5g

<いきなりだんご>
さつまいも:20g
小麦粉:10g
団子粉:5g
砂糖:1g
食塩:0.1g
★小豆あん:10g

大分 Oita

とり天 Tori-ten

料理の背景・いわれ

昭和初期、すでにメニューにあった唐揚げが骨付きであったために、女性が食べづらいだろうという気遣いから、骨のない鶏もも肉を食べやすい大きさに切り、天ぷら風にアレンジしたのがはじまりと言われている。当時の鶏は肉が硬かったそうで、平らに削ぎ切りして、柔らかい衣でサクッと揚げた天ぷらは、食べやすく唐揚げより早く調理できるため、瞬く間に評判となり、以後大分県で郷土料理「とり天」として愛されている。

1人分栄養表示

熱量:314Kcal
たんぱく質:22.2g
脂質:16.3g
ナトリウム量(食塩相当量):1.0g

使用した持続可能な未来の食材

・オレンジトマト
・モリンガ
・紫キャベツ
・アルファルファスプラウト

材料名(1人分量g)★未来の食材

鶏肉ささみ:100g
にんにく:1g
しょうが:1
料理酒:1.2g
食塩:0.2
薄力粉:12g
★モリンガ(ドライリーフ):1g
鶏卵:6g
水:30g
調合油:15g
ぽん酢しょうゆ:8g
からし練り:2g
しそ葉(1枚):1g
★アルファルファスプラウト:10g
★紫キャベツ:15g
★オレンジトマト(2個):30g
かぼす果汁(1/2個):10g

料理の作り方

  1. ささみを一口大に切る。にんにく、しょうがをすりおろす。
  2. ①に料理酒・食塩を混ぜ、漬け込み、下味を付ける。
  3. 青しそ、アルファルファスプラウト、オレンジトマトはよく洗い水気を切っておく。 紫キャベツは線切にする。
  4. 中力粉、卵、分量の水をボールに入れ天ぷらの衣を作り、下味を付けたささみをカラッと揚げる。
  5. 残った天ぷら衣にモリンガ(ドライリーフ)を入れ、④のとり天の半分を入れ二度揚げにする。
    (緑色を活かすために二度目はサッと揚げる)
  6. ③の野菜と二色のとり天、かぼす1/2個を盛り付ける。練りからしは青しその横に絞りおく。
    別皿にぽん酢しょうゆを添える。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)

食材の背景

未来の食材として注目のモリンガと、「大分モリンガの会」代表者が栄養士会会員というご縁で、「とり天」の衣に混ぜて使用した。モリンガは大分県でも栽培が始まっており、道の駅等にて乾燥品が販売されている。

1食分の献立例

・ご飯
・とり天
・だんご汁
・かぼちゃと水菜の胡麻和え
・かぶとリンゴのサラダ

1食分の1人分栄養表示

熱量:720Kcal
たんぱく質:29.5g
脂質:20.2g
ナトリウム量(食塩相当量):2.7g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<ご飯>
精白米:100 g

<だんご汁>
中力粉:20g
食塩:0.1g
[28]モリンガ(パウダー):1g
水:13ml
煮干し:1.5g
水:120ml
麦みそ:7g
[41]ごぼう:10g
乾しいたけ:1g
[43]だいこん:10g
にんじん:5g
さといも:15g
[11]油揚げ:1g
根深ねぎ:5g

<かぼちゃとみずなのごまあえ>
西洋かぼちゃ:45g
みずな:15g
上白糖:1g
濃口しょうゆ:3g
[39]いりごま:3g

<かぶとリンゴのサラダ>
かぶ:60g
りんご:20g
セロリ:15g
米酢:10g
上白糖:10g
食塩:0.2g
ごま油:1g

鹿児島 Kagoshima

薩摩雑煮 Satsuma Zoni

料理の背景・いわれ

薩摩地域では椀からはみ出るほど大きなえびがのった「さつまえび雑煮」が知られる。さつまえび雑煮が作られるのは、薩摩藩主の島津家が「えび雑煮」を食べており、それが庶民にも広まったとされている。鹿児島県の出水沖は、古くからえび漁が盛んで、桁打瀬船という伝統漁法でえびをとり、それを炭火で乾燥させて焼きえびにしたものを島津家に献上していたという。

1人分栄養表示

熱量:247Kcal
たんぱく質:9.6g
脂質:1.0g
ナトリウム量(食塩相当量):1.5g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆
・ほうれんそう

材料名(1人分量g)★未来の食材

焼きえび(ブラックタイガー):20g
餅:70g
乾しいたけ:5g
白菜:80g
さといも:30g
★豆もやし:30g
★ほうれんそう:60g
にんじん:10g
橙の皮:2g
かつおだし(干しえび):100ml
しいたけだし:50ml
黒酒:4g
薄口しょうゆ:8g

料理の作り方

  1. アマランサスと米は浸水し、ややかために炊く。
  2. ホタテ、サーモンは食べやすい大きさに切り、エビは殻をむき、これらは冷蔵庫で保管しておく。
  3. 紫キャベツは千切り後、甘酢に漬けておく。オクラはゆでて冷水にとり冷ましておく。このほかの野菜は、食べやすい大きさに切っておく。
  4. ご飯が炊き上がったらご飯をやや冷まし、どんぶりに盛り、千切りのりを敷いて②の魚介、③の野菜を盛り付け、最後にいくらを飾る。
  5. 昆布しょうゆ、ワサビを添える。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 正月など年中行事との関わり(家族や地域を結ぶ)

食材の背景

正月の三が日に食べられる。えびは長寿、里芋は子孫繁栄、そして“まめまめ”しく元気で働けるようにと豆もやしが主に使用されるのが特徴である。

1食分の献立例

・薩摩雑煮
・赤飯
・さつま揚げ
・なます
・きんかんの甘煮

1食分の1人分栄養表示

熱量:592Kcal
たんぱく質:22.2g
脂質:12.7g
ナトリウム量(食塩相当量):2.5g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<赤飯>
精白米:60g
★小豆(乾):10g
★白ごま:1g
食塩:0.2g

<きんかんの甘酢煮>
きんかん:30g
上白糖:3g
リンゴ酢:7g
なます
★だいこん:40g
にんじん:8g
★油揚げ:5g
上白糖:4g
米酢:7g
食塩:0.2g
★白ごま:1g
ごま油:2g

<にんじん入りさつま揚げ>
鰺:10g
とびうお:35g
にんじん:10g
黒砂糖:1.5g
食塩:0.5g
黒酒:3g
菜種油:7g
青しそ:1g

沖縄 Okinawa

クーブイリチー Kubu Iritchi

料理の背景・いわれ

イリチーとは、食材(乾物や根菜類)を十分に炒めてだしを含ませるように煮込んだものである。主にハレの日に作られていた。使う食材を頭につけさまざまなイリチーがある。クーブとは、昆布のことでクーブイリチーは、刻み昆布と豚だしの炒め物となる。昆布と豚肉の相性は良く、たんぱく質やアミノ酸、脂肪が加わると相乗効果をもたらしうま味を醸しだす。栄養的にも優れ、昔に食生活の知恵があったと感じさせられる。

1人分栄養表示

熱量:149Kcal
たんぱく質:4.9g
脂質:9.3g
ナトリウム量(食塩相当量):1.8g

使用した持続可能な未来の食材

・大豆

材料名(1人分量g)★未来の食材

乾こんぶ:8g
豚肉:18g
しょうゆ:3g
砂糖:3g
泡盛(30度以上):3g
こんにゃく:16g
みりん:2g
かまぼこ:7g
油:2g
かつおだし汁:120ml
食塩:0.2g

料理の作り方

  1. こんぶは洗って水に戻し、水気を切り3~4mmの千切りにする。刻み昆布はざるに入れて洗い、そのまま15~20分ほどつけ、水気を切る。(昆布のちじれがなくなり、まっすぐにのびるまで水に浸ける)
  2. 豚肉は下ゆでして、細めの短冊切りにする。こんにゃくは短冊切りし水からゆで、かまぼこも細千切りにする。
  3. 小鍋にしょうゆ、砂糖、泡盛を加えて煮立て、豚肉とこんにゃくを入れて味を浸透させ取り出しておく。
  4. 別鍋に油を入れ、こんぶを炒め、油が十分に回ったら豚だしと肉の煮汁を数回に分けて加えて、落し蓋をしてゆっくりこんぶが柔らかくなるまで煮込む。
  5. 煮汁が減ってきたら何度もだし汁を加えながら、柔らかくなるまで煮込む。(40分~60分ほど目安)
  6. 途中で⑤に豚肉・こんにゃく・みりんを加えてさらに煮込み、かまぼこと食塩を加えて仕上げる。

「未来に残すべき和食」の特徴

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重(自然とともに暮らしが生んだ)
  • 健康的な食生活を支える栄養バランス(日本人の健康長寿を支えてきた)

食材の背景

昆布は、江戸時代に北海道から移入され庶民の生活に取り入れられ、琉球料理として定着したと言われている。昆布が乾燥保存食であるため台風襲来の災害時に非常食として重宝がられた。

1食分の献立例

・硬ジューシー
・クーブイリチー
・ゴーヤーチャンプルー
・ク―二―(小煮)
・カンダバーの酢味噌がけ

1食分の1人分栄養表示

熱量:917Kcal
たんぱく質:41.0g
脂質:55.0g
ナトリウム量(食塩相当量):2.5g

材料名(1人分量g)★未来の食材

<硬ジューシー>
精白米:42g
豚だし汁:42ml
かつおだし汁:20ml
豚三枚肉:20g
乾しいたけ:1.5g
にんじん:4g
かまぼこ:4g
食塩:0.8g
しょうゆ:3g
サラダ油:1.4g
ねぎ:1g

<ゴーヤーチャンプルー>
ゴーヤー(わた・種つき重量):80g
★島豆腐:80g
豚三枚肉(茹で):15g
油:5g
食塩:0.4g
鶏卵:16g
削り節:2g
しょうゆ:0.6g

<クーニー(小煮)>
豚三枚肉:40g
★だいこん:30g
こんぶ:2g
乾しいたけ:2g
★厚揚げ:16g
豚だし:80ml
かつお:80ml
食塩:1g
しょうゆ:1g

<カンダバーの酢味噌がけ>
芋カズラ:38g
白みそ:17g
酢:7.5g
砂糖:4g

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