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「平成29年度全国栄養士大会」に1,763人が集結、そこで語られた、今現場で必要とされる"視点"とは?

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 8月6日(日)~7日(月)に神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催された平成29年度全国栄養士大会。今年は、「栄養の日・栄養週間」の制定に伴って、全国栄養士大会を大幅に刷新し、「国民に寄り添う管理栄養士・栄養士の姿」をテーマに掲げ、講演や展示ブースの数および内容を充実させ、全国から管理栄養士・栄養士、養成校学生ら1,763人が集まりました。 
 大会中の「第1回 栄養の日記念式典」には、高円宮妃久子殿下にご臨席いただき、「超高齢少子社会を迎えている今、誰もが健やかな生活を願う中で、栄養の重要性が見直されています(中略)。栄養の日の制定は大事な第一歩です。これからは国民の食と栄養の課題を解決するための運動を展開し、栄養の日をご支持いただいている多くの関係団体と協働し、いきいきとした元気な日本をつくっていただけたらと思います。世界には低栄養と過栄養の二重負荷の状況がとても多くあり、そこでの支援は必要不可欠です。このような要請に応えるべく、さらに研鑽を積み、世界各国の同じ業務に携わる方々とともに、人類の健康維持、改善に尽くされることを期待しております」とのお言葉をいただきました。

ミッションは管理栄養士・栄養士現場のエビデンスの再編
「KNK」プロジェクト、はじまる

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 続いて、多様化する食および栄養課題に対してエビデンスに基づいた正しい情報を発信し、人々の適切な食生活の実現に努めることを目的として国立健康・栄養研究所(K)、日本栄養士会(N)、神奈川県立保健福祉大学(K)の三者で協働しているKNKプロジェクトによる鼎談「科学的根拠に基づく管理栄養士・栄養士の活動」が行われました。
 まず、神奈川県立保健福祉大学の中村丁次学長が「栄養に第三の風を起こす必要がある」と述べ、戦前戦後の栄養欠乏症対策、高度経済成長後の肥満と生活習慣病対策に続いて、現代の「栄養障害の二重負荷」への対策が必要であると問題提起をしました。また、国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)17項目のうち15個が栄養に関係していることから、「多様化、複雑化、個別化するさまざまな問題に対して、国際的にも栄養が最も重要であることから、科学的根拠のもとに新たな栄養の風を起こしていきましょう。そのために『栄養の日』を制定したのです」と会場の管理栄養士・栄養士に呼びかけました。

 国立健康・栄養研究所の阿部圭一所長は同研究所と日本の栄養学の歴史について語り、「国民健康・栄養調査は世界に類を見ない70年にも及ぶ調査であり、歴史とともに栄養の問題を把握できる。私たちは全力を挙げて国民健康・栄養調査の継続に務めている」と説明。そして、「やせるのが健康という常識から脱却し、生涯にわたって適正体重を維持することが重要で、この点がこれからの栄養指導のポイントとなる」と強調しました。さらに「私どもの研究と管理栄養士・栄養士の皆さんの共同活動によってエビデンスの拡散につなげ、日本人の健康寿命を大きく伸ばしていきましょう」と訴えました。最後に、日本栄養士会の小松龍史会長が、「私たち管理栄養士・栄養士は、さまざまな分野の専門職と連携してあらゆる人々に寄り添い、健康と幸福の実現に寄与する高度な専門職をめざします」とまとめました。

緊急提言! 現代の栄養問題に、
管理栄養士・栄養士に求められることとは?

 人々の適切な食生活の実現のために、現代の喫緊の課題として「現代人の低栄養」についての講演が2題行われました。
 早稲田大学ナノライフ創新研究機構招請研究員の福岡秀興氏は「若い女性の栄養と次世代の健康」と題して、「若年女性は体格指数BMI18.5以下のやせの割合が高く、これは自身の健康だけでなく、生まれてくる子どもの生活習慣病のリスクを高め健康に望ましくない影響をもたらす」ことを解説しました。体脂肪量と卵巣機能との関連を説明し、やせて脂肪が減ることにより月経不順や無月経に進展し、さらには卵巣機能の廃絶により骨粗鬆症や動脈硬化等のリスクが高まると懸念。「女性の日常の食事と栄養が、子ども、孫、ひ孫にまで影響することを理解し、管理栄養士・栄養士の皆さんにはエビデンスベースで情報を入手して若い世代を支援していただきたい」と述べました。
 桜美林大学老年学総合研究所所長の鈴木隆雄氏は、「高齢期の栄養と健康―科学的視点から―」というタイトルで、高齢期の低栄養の予防について解説しました。特にフレイルとなりやすい75歳以上の後期高齢者においては、たんぱく質とビタミンDの不足に注意が必要であるとして、「福岡先生の話と同様に、女性はどの世代もビタミンDが不足している。特に若い女性のビタミンD不足は将来にわたって禍根を残すのではないかと思う。管理栄養士・栄養士の皆さんはもっとビタミンD問題にセンシティブになってほしい」と訴えました。座長を務めた日本栄養士会常任理事の木戸康弘氏が、「私たちは世の中にあふれる情報のなかで科学的根拠に基づいて正しく伝えていく必要がある。私たちの役割はますます重要です。頑張りましょう!」と会場に呼びかけました。

タレントの水野裕子さんが登場!
プロフェッショナルがもつべき意識を学ぶ

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 大会の最後には教育講演「水野裕子と学ぶ個人情報管理と職業倫理」が行われ、タレントで管理栄養士養成校に在籍中の水野裕子さんが弁護士の早野貴文氏に平成26年に改訂された「管理栄養士・栄養士倫理綱領」(平成14年4月27日制定)について疑問・質問を投げかけ、会場の管理栄養士・栄養士とともに理解を深めていきました。職業倫理について早野氏は「Professionalな人たちの倫理という意味であり、Professionalとは人の命を預かる仕事を指す。管理栄養士・栄養士は食と栄養を通じて人々の命を守ることが本質であり、そのために不可欠な意識を職業倫理と呼びます」と解説しました。そして、「国民は栄養の詳しい情報を知りません。目の前にいる管理栄養士・栄養士が誠意をもって最善の情報をくれると思っています。ですから、ネットで手軽に得た情報で伝えることは職業倫理違反の最たるものになります」と注意を呼びかけました。早野氏の説明を受けて、水野さんは「意識を高く持ち続けるのは難しいことではあるけれど、それがやりがいでもある。管理栄養士の資格を取得して、正しい情報、知識を持って伝えていけるようになりたい」と抱負を述べました。

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 全国栄養士大会(全国栄養改善大会)では、厚生労働大臣表彰と日本栄養士会表彰も行われました。厚生労働大臣表彰では、栄養改善事業功労者に神奈川県の竹田すずよさんをはじめ16名、栄養士養成功労者に同県の山本妙子さんをはじめ22名、栄養指導業務功労者に同県の土屋孝子さんをはじめ59名、特定給食施設に山梨県の山梨赤十字病院をはじめ20施設が表彰されました。
 公益社団法人日本栄養士会表彰では、栄養改善功労賞「萩原賞」に鍜治木いつ子さん、栄養改善奨励賞「森川賞」に北林絋さん、会長表彰「50年・25年業務貢献者」に合計910名が表彰され、また、神奈川県、京都府、鹿児島県の3栄養士会に感謝状が渡されました。受賞者を代表して竹田すずよさんが登壇し、「受賞できたのは上司や同僚の励ましの賜物です。これからも仲間とともに栄養の発展に寄与していきたいです」と謝辞を述べました。

総公演数31、展示コマ数38、
熱気に包まれた二日間

 臨床栄養、公衆栄養、健康経営、食育、地域包括ケア、福祉栄養、研究教育、スポーツ栄養、災害支援、生活習慣病の発症予防・重症化予防、食と栄養に関する基礎知識の各領域での最新情報に基づいた25の講演と、6つのランチョンセミナーはほとんどの会場で満席になりました。また、食品メーカーをはじめ各企業による展示会場にもあふれるほどの参加者が集い、最新情報を得ようと出展者と参加者が語り合う姿があちこちに見られました。

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 2日間にわたる全国栄養士大会で得られた情報や、栄養の日・栄養週間での熱気をもとに、全国各地に戻った管理栄養士・栄養士が自身の活動をさらに高め、国民一人ひとりに寄り添っていくことが望まれます。

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