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【小中学校の現場】「給食大好き」がきっかけ、食育を通してたくさんの人を幸せにしたい

管理栄養士・栄養士の「就活」と「働く」がリアルにわかる!
訪問! 現場で活躍するセンパイ #03

隅田美乃梨さん(滋賀県立新旭養護学校栄養教諭、管理栄養士)

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 「食育を通してたくさんの人を幸せにしたい」。そんな想いを胸に、栄養教諭になる夢を叶えた隅田さん。管理栄養士・栄養士であり教員でもある栄養教諭のリアルな日常とは? 特別支援学校ならではの工夫や仕事のやりがいについても語ってもらいました。

プロフィール:
滋賀県出身。龍谷大学農学部食品栄養学科卒業後、滋賀県立新旭養護学校にて、栄養教諭として勤務。勤務年数2年。

現在のお仕事に就くまでのことを教えてください

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管理栄養士になりたいと思ったきっかけ

 小中学生の頃、学校の給食が大好きだったんです。高校生になって進路を考えたときに、給食が学校生活の楽しみだったことが心に残っていて、私がそうだったように子どもたちの楽しみになるような給食を作れたらいいなと思ったのがきっかけでした。それに、子どもたちに楽しんでもらえることが、自分自身にとっても楽しい仕事に繋がるのではないかと思いました。そこから、管理栄養士という職業を知り、進学先を決めました。

就職活動の際に苦労したこと、心がけていたこと

 とにかく勉強が大変でした。管理栄養士養成課程と教員免許取得課程、両方の単位を取得するために、土曜日も休みなしでしたね。また、就職活動にあたっては、栄養教諭はそもそも採用人数が少ないので、受かるかどうかの不安も大きかったです。でも私は、栄養教諭になる以外の道は考えられなかったので、もう“当たって砕けろ”の精神で挑みました。「もし就職できなかったら、勉強し直して、来年また採用試験を受ければいいか」と、不安をかき消していました。また、まわりの人がたくさん応援してくれたことにも支えられていました。
 就職活動では、将来こんな栄養教諭になりたいという理想像を具体的にすることと、なぜなりたいのかを明確にすることが大事です。私は面接の練習を繰り返す中で、「食育を通してたくさんの人を幸せにしたい」という志望動機を明確にすることができました。就職活動中、心が折れそうなときもそれが支えになりました。あのときは大変でしたが、今振り返ると価値のある時間だったなと思います。

学生時代の経験や勉強したことで役に立ったこと

 現場で1カ月分の献立を考えるのですが、学生時代に献立作成の課題をたくさんこなした経験が役に立っています。どの科目も今に繋がっていますが、特に、食育を実践するにあたり科学的根拠に基づいて、自分できちんと理解したうえで栄養や体の仕組みについて、丁寧に勉強できたことはよかったです。
 今ではスーパーに行くと食品表示を見るのが趣味になっていますが、学生のうちから、食べ物に関することに広い視野で興味を持つといいかもしれません。「こういう味にしたらおいしいかな?」とか、自炊するときに試してみて次の献立に取り入れたりすることもあります。

今のお仕事について教えてください

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現在、担当している業務

 生まれ育った地元が好きなので、地元で食育がしたいと思い、当県の採用試験を受けました。採用試験に合格すると県から配属が振り分けられ、現在の職場で勤務することになりました。
 栄養教諭は給食の献立作成や衛生管理などの給食管理に加えて、学校で食育の授業を受け持ち、生徒たちに食育を推進する役割もあります。学校の中に調理場があり、1日に提供する食数は約100食。献立作成、食材発注、食物アレルギー対応、調理場の衛生管理など給食提供について、全て私が管理しています。食育の授業は担任の先生と連携して内容や流れを考え、授業をします。また食育の取り組みでは、給食係の先生と一緒にテーマや内容を毎回考え、今年は“調理員さんを知ろう”というテーマで、「感謝をして食べる」ことを伝える掲示物を作成しました。毎週、食に関することをテーマに扱ったポスターを作成し、生徒に情報を伝え、それをもとにクラスで発表してもらうことや、ランチルーム前のホワイトボードを活用し、献立とその日の給食のポイントを書くことで興味を持ってもらえるように工夫することも食育の取り組みのひとつです。また、高等部に所属する生徒は卒業後、社会に出て独り立ちしていくことになるため、自分自身の食生活を管理できるような支援も食育として行っています。子どもたちが、生涯にわたって健やかに生きるために必要な食に関する基礎を育めるよう、食育に取り組んでいます。

仕事で大変なことや工夫していること

 勤務地が特別支援学校なので、生徒の障害の属性で食へのこだわりが異なるため、満遍なく食べられるような工夫をしなくてはなりません。例えば、混ざっているものが食べられない子は、いろいろな食材が混ざっている料理だと食べる気が失せてしまうこともあります。そのため、食材が混ざった料理の献立ばかりではなく、なるべくシンプルな食材の献立の日もつくるようにしています。噛む力が弱く丸呑みしてしまう子どももいるので、形体をドロドロのペースト状にしたり、微塵切りだったりとそれぞれの咀嚼力・嚥下力に合わせて対応しています。食物アレルギーに関しても、アレルゲンを除去して対応するなど気をつけています。
 学校給食は食育の「生きた教材」と考えています。食べる量の目安であったり食文化であったり、食に興味を持ち、給食の時間が食を学ぶ時間になるように取り組んでいます。郷土料理や行事食を取り入れること、さまざまな食材を使うこと、週1回は必ず魚料理にすること、ときにはデザートをつけることで食事の楽しみになるように心掛けています。食物アレルギーに関しても、アレルゲンを除去する対応をするため、使用する食材に気をつけています。食育の視点での工夫もしていますが、調理場の設備や調理工程についても考えながら献立作成をしています。

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やりがいを感じるとき

 給食管理の指揮を取るのは栄養教諭の役割なので、ベテランの調理員さんたちとのコミュニケーションがとても重要です。職場で栄養教諭は私一人で調理員さんは年上の方が多く、1年目は伝え方や関係の築き方をどうしたらいいのか、頭を抱えることもありました。2年目になった今は、徐々に慣れていい関係を築けています。
 調理員さんたちだけでなく、先生方ともコミュニケーションをとることが食育をするうえで欠かせないです。現場に出てみて初めて、栄養学だけではなくて、コミュニケーションの重要さを実感しました。

今後の夢や取り組んでみたいこと

 子供たちが「先生、今日もおいしかったよ」と、満面の笑みで伝えてくれると、「ああ、がんばって献立を考えてよかった!」と励みになります。食育の授業をした後に「今までこんなこと知らなかったけど、食事についてこれからもっと考える」と言われたことがあり、そんな風に“気づき”を持ってもらえたときはやりがいを感じますね。
 この仕事の魅力は、食を通じてたくさんの人を健康にして幸せにできること。だから、多少しんどいことがあっても、誰かの役に立てるような献立を作り、おいしいと言ってもらえるような経験を積んでいきたいですね。“たくさんの人を幸せに”が、仕事をするうえでの私の信念です。

1日のタイムスケジュール

  1. 6:30

    起床

  2. 7:45

    家を出発

  3. 8:00

    出社

  4. 8:35

    職員と朝の打ち合わせ

  5. 9:00

    調理員と打ち合わせ
    その後、事務仕事

  6. 10:30

    調理場へ

  7. 12:30

    昼食

  8. 13:00

    事務仕事  

  9. 17:15

    退勤

  10. 17:30

    帰宅

  11. 19:00

    夕食、自由時間

  12. 23:00

    就寝

事務仕事は、献立作成や発注をはじめ、食育の準備や「給食だより」という献立の裏につけるお便りを作成するなどしています。通常業務のほかに、月1回、給食係の先生が所属している係会への出席があり、各学期に1回、給食委員会とアレルギー対応委員会の会議に出席します。休みはカレンダー通りの土日休み。有給は給食が終わってから取るか、夏休みや春休みなど子どもたちが休みのタイミングに合わせて取ることが多いです。

OFFの時間や休日の過ごし方

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仕事後のリラックス法は、お風呂で湯船にゆっくり浸かること。この時間は、仕事のことを考えずにぼーっと過ごしています。最近は韓国ドラマにもハマっていますね。休日は楽器を吹くことや友だちと会って他愛もないことをしゃべって過ごすことが多いです。遠くに引っ越してしまった友だちとZoomで話す時間もオフタイムの楽しみ。がんばっている友だちからやる気と元気をもらえる、癒やしのひとときです。
※写真はリラックスできる香りアイテムと趣味のサックス

学生へのメッセージ

栄養教諭という仕事は、管理栄養士・栄養士として給食管理をするだけでなく、子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができるよう食育を行うことで、学校生活や将来を支えることができる仕事です。学生のうちに、いろいろな人と関わってコミュニケーションが取れる力をつけておくと、就職後も職場の人たちと様々な意見交換ができて働きやすくなると思います。就活中は、教員採用試験の勉強がしんどくなることもありますが、そんなときは、将来の夢に向けてのキラキラした希望や目標を大切にがんばってください。

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