【厚生労働省】「被保護者健康管理支援事業の手引き」の改正について
2026/04/10
ニュースのポイント
- 「被保護者健康管理支援事業の手引き(第2版)」を発出
- 「医療扶助・健康管理支援等に関する検討会」の「中間的な整理」等を踏まえて改正された
- マンパワー不足・業務多忙、保健医療専門職の確保が困難、知識・技術の不足等の現状における課題や、医療保険の第3期データヘルス計画の取組状況を踏まえて見直されたもの。また、生活習慣全体への包括的な支援の中で、栄養管理や食生活改善の視点の重要性も意識された内容である
厚生労働省は、2026年3月31日(火)付で「被保護者健康管理支援事業の手引き(第2版)」を発出した。
生活保護制度において、自立した日常生活や就労・社会参加に向けて健康状態及び生活機能の維持・向上を図るため、医療保険におけるデータヘルスを参考に、令和3年から「被保護者健康管理支援事業」を実施し、生活習慣病の発症・重症化の予防等に取り組んでいる。あわせて、被保護者に多い低栄養や不適切な食習慣への対応など、食生活・栄養面からの支援も重要な課題となっている。しかし、専門職の確保や専門的なノウハウの不足など、事業の実施体制に課題を抱える自治体が多い状況である。
こうした状況を踏まえ、「医療扶助・健康管理支援等に関する検討会」の「中間的な整理」(令和7年12月17日取りまとめ)等を踏まえて改正されたのが「被保護者健康管理支援事業の手引き(第2版)」である。
本手引きは、マンパワー不足・業務多忙、保健医療専門職の確保が困難、知識・技術の不足等の現状における課題や、医療保険の第3期データヘルス計画(令和6~11年度)の取組状況を踏まえて見直されたもの。また、生活習慣全体への包括的な支援の中で、栄養管理や食生活改善の視点の重要性も意識された内容となっている。
主な改正点は下記の通り。
・事業の枠組みを標準化(PDCAサイクル、評価指標等)
短期的に効果が得られにくい保健事業について、中長期的な視点を持ちつつ、健康課題に応じた事業の企画・実施や適切な効果評価を進めるため、「事業方針」の期間を「6年間」に統一し、PDCAサイクルを標準化している。
評価指標の標準化等を通じて、取組状況の比較、状況把握・課題整理を可能とし、国による技術的支援や事業の見直し、都道府県による市町村支援を推進する。今後は、健診データや医療情報に加え、栄養状態や食習慣に関する情報の活用も含め、より実効性の高い評価・支援が期待される。
・個別の保健事業に「3つの柱」を設定し、多様な「取組例」を提示
個別の保健事業について、医療保険分野の取組状況を踏まえ、①健康状態の把握、②状態に応じた個別的支援、③健康教育や普及啓発等、の「3つの柱」に整理している。これらの柱においては、体格や栄養状態の把握、生活習慣病予防・重症化予防のための栄養指導、食生活改善に関する普及啓発など、栄養分野が横断的に関与することが重要である。
また、自治体の状況に応じた取組を進めるため、保健医療専門職の確保が困難な自治体でも実施可能な取組、福祉事務所以外の実施主体に専門的な対応を委ねる取組等の取組例を追加している。
・衛生主管部局・データヘルス計画所管部局等との連携に関する記載を具体化
医療保険のデータヘルス計画の枠組みと共通化して関係部局や関係機関との円滑な連携につなげ、専門性・ノウハウ等を活用する。こうした連携の中で、管理栄養士・栄養士が関与することにより、低栄養対策や食生活支援を含めた包括的な健康支援の充実が期待される。
・実施の位置付け
「第2版」に基づく取組は、医療保険の次期データヘルス計画(令和12年度~)に係るタイミングに合わせて「本格実施(必須の取組)」とし、それまでの間は、本格実施に向けた「準備期間(任意の取組)」として位置付けている。
国においては、令和8年度中に事業方針の作成や個別の保健事業の準備・検討・調整等に関する詳細な取組手法、各種取組例に関する具体的なプログラム例をまとめた「被保護者健康管理支援事業 ガイドブック(仮称)」を作成し、その後も福祉事務所の取組状況等を踏まえつつ内容の充実を図っていく方針。



