令和8年度診療報酬改定のポイント
令和8年度診療報酬改定の概要(栄養関連部分の主な変更点)
令和8年度診療報酬改定においては、入院・外来・在宅と多岐にわたって、栄養管理に関する評価の充実が図られました。
重要なポイント
- 多職種連携における管理栄養士の専門性の発揮
- 食事(特に口からおいしく食べること)を重視した低栄養対策
栄養の重要性は広く認識され、管理栄養士への期待も高まる一方、今後、更なるエビデンスと実績が求められると思います。
今後も「質」を追求し、今回の栄養関連改定項目を正しく理解し、実践していくことが求められます。
令和8年度診療報酬改定(栄養関連項目)の概念図

① 入院時の食費及び光熱水費の基準の見直し[見直し]
【Ⅰ-1 医療機関等が直面する人件費や、医療材料費、食材料費、光熱水費及び委託費等といった物件費の高騰を踏まえた対応】
第1 基本的な考え方
食材料費や光熱・水道費の上昇等を踏まえ、入院時の食費及び光熱水費の基準額を引き上げる。
第2 具体的な内容
- 入院時食事療養(Ⅰ)・(Ⅱ)の費用の額及び入院時生活療養(Ⅰ)・(Ⅱ)のうち食事の提供たる療養の費用の額について、それぞれ1食当たり40円引き上げる。
- 入院時生活療養(Ⅰ)・(Ⅱ)のうち温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成たる療養の費用の額について、1日当たり60円引き上げる。
◉見直し
食事療養及び生活療養の費用額算定
② 嚥下調整食を特別食加算の対象として評価[新設]
③ 特別料金の支払を受ける食事の明確化
【Ⅰ-1 医療機関等が直面する人件費や、医療材料費、食材料費、光熱水費及び委託費等といった物件費の高騰を踏まえた対応】
第1 基本的な考え方
入院時の食事療養の質の向上を図る観点から、おいしく安全な食形態で適切な栄養量を有する嚥下調整食について新たな評価を行うとともに、多様なニーズに対応できるよう、特別料金の支払を受けることができる食事の要件を見直す。
第2 具体的な内容
- 入院時食事療養費に係る食事療養等の特別食加算の対象として、おいしく安全な食形態で適切な栄養量を有する嚥下調整食を新たに評価する。
- 入院患者の多様なニーズに対応できるよう、特別料金の支払を受けることができる食事について、以下の見直しを行う。
◉新設
嚥下調整食を特別食加算の対象として評価
◉要件等見直し
特別料金の支払を受ける食事の明確化
④ 地域包括医療病棟入院料リハビリテーション・栄養・口腔連携加算1・2[要件見直し]
⑤ リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算1・2[要件見直し]
【Ⅱ-1-1 患者のニーズ、病院の機能・特性、地域医療構想を踏まえた医療提供体制の整備】
第1 基本的な考え方
(一部抜粋)リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組を推進する観点から、加算の体系を見直す。
第2 具体的な内容
(一部抜粋)2.リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組を更に推進するため、リハビリテーション・栄養・口腔連携加算の体系を見直す。
◉要件見直し
- リハビリテーション・栄養・口腔連携加算1 110点
- リハビリテーション・栄養・口腔連携加算2 50点
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(算定告示)_医科点数表_別表第一(抜粋)
- 医科診療報酬点数表に関する事項(留意事項通知)_医科点数表_別添1(抜粋)
- 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(施設基準告示)(抜粋)
- 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(抜粋)
- 様式5の5 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算及びリハビリテーション・栄養・口腔連携加算の施設基準に係る届出書添付書類
◉要件見直し
- リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算1(1日につき) 150点
- リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算2(1日につき) 90点
◉新設
リハビリテーション・栄養・口腔連携加算 30点
⑥ 看護・多職種協働加算1・2[新設]
【Ⅰ-2-3 タスク・シェアリング/タスク・シフティング、チーム医療の推進】
第1 基本的な考え方
更なる生産年齢人口の減少に伴って医療従事者確保の制約が増す中でも、患者像に合わせた専門的な治療やケアを提供し、患者のADLの維持・向上等に係る取組を推進するため、重症度、医療・看護必要度の高い高齢者等が主に入棟する病棟において、看護職員や他の医療職種が協働して病棟業務を行う体制について、新たな評価を行う。
第2 具体的な内容
急性期一般入院料4及び急性期病院B一般入院料のうち、急性期一般入院料1と同等の重症度、医療・看護必要度等を満たす病棟において、当該病棟における看護配置基準を超えて看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士又は臨床検査技師のいずれかを配置し、各医療職種が専門性を発揮しながら協働する場合に算定できる「看護・多職種協働加算」を新設する。
◉新設
看護・多職種協働加算(1日につき)
- 看護・多職種協働加算1 277点
- 看護・多職種協働加算2 255点
⑦ 経腸栄養管理加算[要件見直し]
【Ⅰ-2-5 診療報酬上求める基準の柔軟化】
第1 基本的な考え方
(一部抜粋)療養病棟入院基本料における経腸栄養管理加算について、対象となる患者の要件を見直す。
第2 具体的な内容
(一部抜粋)3.経腸栄養管理加算について、入院前から経腸栄養を行っておらず中心静脈栄養で管理されていた患者を算定対象とする。また、経口摂取が不可となった場合に、適切なプロセスを経て中心静脈栄養ではなく経腸栄養を選択した場合についても加算の算定が可能であることを明確化する。
◉要件見直し
経腸栄養管理加算(1日につき) 300点
⑧ 入院栄養管理体制加算[専従要件見直し]
【Ⅰ-2-5 診療報酬上求める基準の柔軟化】
第1 基本的な考え方
(一部抜粋)医療現場を取り巻く人手不足の状況を踏まえ、業務効率化の観点から、医療安全対策加算、感染対策向上加算及び入院栄養管理体制加算における専従に係る基準を見直す。
第2 具体的な内容
(一部抜粋)3.管理栄養士の病棟への専従配置が要件となっている入院栄養管理体制加算について、病棟での業務に影響のない範囲において、当該病棟から退院した患者の外来栄養食事指導等の継続的な支援を行って差し支えないこととする。
◉要件見直し
入院栄養管理体制加算(入院初日及び退院時にそれぞれ1回) 270点
⑨ 心不全再入院予防継続管理料[新設]
【Ⅲ-1 患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価】
第1 基本的な考え方
心不全治療による再入院予防を推進する観点から、急性心不全で入院した患者に対して、早期から多職種による介入を実施し、退院後も必要な治療を地域で連携して実施した場合について、新たな評価を行う。
第2 具体的な内容
呼吸困難等の症状を伴う急性心不全を発症し入院した患者に対し、地域連携に係る要件を満たした保険医療機関が、多職種により心不全の再入院予防の取組を行う場合の評価を新設する。
◉新設
心不全再入院予防継続管理料
- 心不全再入院予防継続管理料1 1,000点
- 心不全再入院予防継続管理料2
- 6回目まで 700点
- 7回目以降 225点
- 心不全再入院予防継続管理料3
- 6回目まで 400点
- 7回目以降 225点
⑩ 情報通信機器を用いた外来栄養食事指導料[要件明確化]
【Ⅲ-3-2 外来、在宅医療等、様々な場面におけるオンライン診療の推進】
第1 基本的な考え方
情報通信機器等を用いた外来栄養食事指導を推進する観点から、外来栄養食事指導料について、 情報通信機器又は電話による指導の評価を見直すとともに、情報通信機器による指導のみでも算定を可能とする要件の明確化を図る。
第2 具体的な内容
- 情報通信機器等を用いた外来栄養食事指導料について、2回目以降に情報通信機器又は電話により追加的な指導を行った場合の区分を新設する。
- 情報通信機器による指導の実施に当たって、事前に対面による指導と情報通信機器による指導を組み合わせた指導計画を作成し、当該計画に基づいて指導を実施する場合に加えて、対面又は情報通信機器のいずれかによる指導計画を作成した場合も算定可能であることを明確化する。
◉要件明確化
9 外来栄養食事指導料
⑪ 退院後訪問栄養食事指導料[新設]
【Ⅱ-5-1 地域において重症患者の訪問診療や在宅看取り等を積極的に担う医療機関・薬局の評価】
第1 基本的な考え方
入院中に栄養管理の必要性が高い患者が、安心・安全に在宅療養に移行し、在宅療養を継続できるよう支援する観点から、退院直後の一定期間に入院医療機関が行う訪問栄養食事指導について、新たな評価を行う。
第2 具体的な内容
退院直後に、入院保険医療機関の管理栄養士が患家等を訪問し、患者又はその家族等退院後に患者の在宅療養支援に当たる者に対して、退院後の在宅における栄養管理や食生活に関する指導を行った場合の評価を新設する。
◉新設
退院後訪問栄養食事指導料(1回につき) 530点
医薬品:栄養保持を目的とした「たん白アミノ酸製剤」の保険給付の適正化 [要件見直し]
【Ⅳ-4-3 医学的妥当性や経済性の視点も踏まえた処方の推進】
第1 基本的な考え方
保険給付の適正化の観点から、栄養保持を目的とした医薬品の保険給付の要件を見直す。
第2 具体的な内容
薬効分類が「たん白アミノ酸製剤」に分類される医薬品のうち、効能又は効果が「一般に、手術後患者の栄養保持」であり、用法及び用量に「経口投与」が含まれる栄養保持を目的とした医薬品を処方する場合については、以下の患者に対する使用に限り、その理由を処方箋及び診療報酬明細書に記載することで保険給付の対象とすることを明確化する。
- 手術後の患者
- 経管により栄養補給を行っている患者
- 疾病の治療のために必要であり、他の食事では代替できないなど、医師が特に医療上、栄養保持を目的とした医薬品の使用の必要があると判断した患者
◉要件見直し
【第5部 投薬】



