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マーケティング部長であり公認スポーツ栄養士
仕事でのあらゆる経験が今につながる

トップランナーたちの仕事の中身♯016

大畑好美さん((株)アントステラ マーケティング部部長、管理栄養士)

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 駅ビルやショッピングモールなどで甘い香りを感じたら、目の前にクッキー専門店「ステラおばさんのクッキー」があったという経験がある人は少なくないでしょう。全国に62店舗があり、お土産やおやつに人気です。今回のトップランナー、大畑好美さんは森永製菓(株)に26年勤務し、今年(2017年)4月から「ステラおばさんのクッキー」を運営する(株)アントステラに出向してマーケティング部の部長を務めています。

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 大畑さんの仕事を大まかに言うと、クッキー専門のメーカーであり小売業でもある同社で、クッキーの企画、開発から商品を世の中に出すところまでの責任者。企業の管理職で、なおかつ管理栄養士資格を有するとても稀な存在です。森永製菓(株)という大企業でのさまざまな経験と、マネジャー、部長職を経てきたキャリアを活かして、大畑さんは新境地で奮闘しています。
 「関係会社とは言っても、別の会社であることに変わりなく、数人の森永製菓(株)からの出向者を除けば全員が初対面です。私自身が新入社員と言えるような環境で4月1日から目の前の仕事に責任者として携わる――。当初はどうなることかと不安もありましたが、森永製菓(株)の製品計画部時代に商品が0からできあがるところを一通り経験していたので、出向後もすんなりと仕事に取り組むことができています」
 マーケティング部は商品のコスト、損益、そして世の中の動きを把握したうえで、商品を企画して社会に生み出すのが仕事。大畑さんの現在の部下は9人。マーケティング以外にデザイン、喫茶企画、WEB通販と担当が分かれており、メンバーはウェディングプランナーやデザイナー、メニュー開発などからの転職組や、ステラおばさんのクッキーの店舗での販売経験者など、顔ぶれもそれぞれで個性豊か。「自分とまったく同じ考えの人はいないなかで、自分が考えていることを部下に納得して取り組んでもらうこと。と同時に、管理職である自分は決して動きすぎないこと。この2つがチームを率いる大変さと言えます」と大畑さん。メンバーそれぞれの得意分野を尊重して、仕事を任せています。

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 管理職としてのどっしりとした大きな器を備えた大畑さんですが、8年前に初めてマネジャー(課長)職を当時の部長から打診されたときは一度断ったほど、人をまとめることに自信がなかったそうです。当時の部下は3人、それが5~6人に増え、2年前に就任した海外・商品開発部では部下の人数は15人に。
 「売上でも利益でも、前の月より、前の年より良い結果を出すこと。一人でやっているわけではないし、もちろん一人でできることでもありません。求める結果が得られるように、部下のみんなに気持ちよく動いてもらうことが大切です。私がすることは、2年後3年後を意識しながら判断し、方向性を指し示し、部下たちの仕事の責任をとることです」
 今年は、全国に点在しているすべての店舗を順にまわりながら、秋以降には2018年~2020年までの中期経営計画の策定に参画するという大きな任務を控えている大畑さん。渋谷青山通り店の店長でありクッキー開発担当者の笹原直美さんをはじめ、自分よりも(株)アントステラでのキャリアが長いメンバーの力を結集して、仕事に勤しみます。

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スポーツ栄養のキャリアは20年以上

 大畑さんは企業の管理職という肩書とは別に、もう一つの顔があります。それが、公認スポーツ栄養士です。森永製菓(株)に入社して最初に配属された健康事業部(当時)で、競歩選手の中国青海省での合宿に帯同し、「高地トレーニングにおける日中共同研究」に参加したのがきっかけです。
 「1993年当時はまだスポーツ栄養という言葉も、それほど普及していませんでした。もちろん大学でも学んでいません。現地で調達できる食材から選手のパフォーマンスが上がるようにメニューを工夫して提供するという仕事を、"教科書"もないなかで、現場で体得していきました」
 この経験により、公益財団法人日本陸上競技連盟とのつながりができ、現在は社外活動として日本陸上競技連盟の普及育成委員、食育プロジェクト委員を務めています。休日を利用してジュニア選手の保護者や陸上部の顧問、コーチなどへの栄養セミナーや、U19(高校生)のブロック合宿での栄養講習会を担当。「競技をしている以上、ケガや故障はつきものなのですが、普段の食生活がケガや故障の予防にいかに大切かを伝えています。できるだけ長く競技を続けてもらいたいですから」と、ライフワークにも力を入れています。

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 自身が高校時代にバスケットボール部だったこともあり、東京都内の大学の女子バスケットボール部にもかかわっています。毎年、春から部活の中に栄養勉強会を取り入れ、全日本大学バスケットボール選手権大会(通称:インカレ)までの7ヶ月間、選手約20人に食事日誌をつけてもらい、その添削を大畑さんが担っています。試合で当たり負けしないように体重を増やすために、あるいは貧血を改善するために、自分が何を食べたらよいかを考えさせて実践してもらうのです。
 「食事はプライベートそのもの。何を食べたかをさらけ出してもらって、そこにメスを入れることになるので、たいていは嫌がられるものです。ですから食事の内容がどうであれ、学生であっても決して否定はせず、こんな料理はどうかと代替案を出すようにしています。学生との食事日誌は続けていくとだんだん"交換日記"のようになってきて、食事のことだけでなく友達とどこに行ったとか、テストが大変だとか(笑)。心を開いてくれたのだなと、うれしくなります」
 新しい職場でも、学生や保護者、コーチが相手でも、人の心にすーっと入り込み、やる気を沸き立たせてくれる大畑さん。自身のさまざまな経験から培った「見守る力」が大畑さんの最大の強みと言えるでしょう。

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プロフィール:
平成3(1991)年、女子栄養大学卒業。同年、管理栄養士資格取得。森永製菓(株)に入社し、ウイダートレーニングラボでのスポーツ栄養業務、ウイダーブランド商品の開発企画、ヘルスフードサイエンス研究所、製品計画部マネジャーなどを経て、平成27(2015)年に海外商品開発部長。平成29(2017)年4月より関係会社に出向し現職。公認スポーツ栄養士でもあり、(公財)日本陸上競技連盟では普及育成委員・食育プロジェクト委員を務める。

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